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経済界などから、EPAを進めるためにもさらなる農政改革を進めるべきとの主張があるようですが。
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戦後農政の転換と呼ばれる大改革が今年度から始まりましたね。その矢先に「ポスト農政改革」の必要性が経済界や一部の学者の間で言われています。このタイミングで次の農政改革を議論することが適切なのかとのご指摘はもっともだと思います。
気になるのは、「日本農業は非常に生産性が低い」「効率的な状況と程遠い」など議論の内容が現実離れして極端なものになっている点です。構造改革が必要なことは私も否定しません。しかし、それはほんの一握りの大規模農家だけが幸せになればいいということではありません。これらの議論は、マーケットに対する規制はなるべく自由にする、つまり市場原理に徹底的に委ねる、一方で国が政策支援する担い手はもっと絞り込む、こういう方向だろうと思います。
「大きな政府」と「小さな政府」の例えでいえば「小さな農政」を目指す議論といえるでしょう。心配なのは経済のグローバル化が進む中でこうした意見が力を増していることです。こうした主張をする人たちの視野には明らかにオーストラリアをはじめとするEPAがあります。
私はこういう方向が農政のあるべき姿とは思いません。アジアモンスーン地域の小規模零細な農地所有という制約条件の中で、少数の担い手だけでは日本の農業は守れません。今こそ、食と農と地域を守る力を結集していくべきときです。共に頑張りましょう。
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国の政策が担い手に限定されると聞きました。一部の人だけで農業が支えられるのでしょうか?

今回の農政改革を称して、「戦後農政の転換」という言い方がされますね。ご質問にある通り、19年度から麦・大豆等の品目横断対策など、国の助成が「担い手」といわれる一部の経営体に限定されるという意味で、農政転換と呼ばれるわけです。
でも、大事なことは、字面に踊らされることなく、中身をしっかり見ることです。今回の改革では一部の大規模農家だけを対象にするような制度にはなっていません。
私は改革論議の過程に、JAグループを代表する立場でかかわりました。一貫して主張したのは、「わが国の農業は多様であり、担い手の姿も全国一律ではない。だから、国が一方的に担い手の定義を決めるのではなく、それぞれの地域で関係者が話し合って決めればいい」。この考え方はある程度、施策に反映されたと考えています。
新しい経営安定対策の対象には、認定農業者のほかに、集落営農組織が位置づけられました。集落営農には中小規模の農家も兼業農家も、お年寄りの農家も参加できます。もちろん、大規模農家だって入れますし、現にそのような集落営農がたくさんできています。
それぞれの地域が、自分たちの置かれた状況を踏まえて将来ビジョンをつくる。これが重要です。その意味で改革の主権者は農業者の皆さんであり、JAの出番なのです。頑張りましょう。
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米の生産調整の仕組みが変わるそうですが、どうなるのでしょうか?
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いよいよ新年度から農政大改革が動き出しますね。「品目横断的経営安定対策」と「農地・水・環境保全向上対策」が目玉施策ですが、同時に米政策改革の新しい対策も始まります。
ご指摘の件は米政策改革の一環で「新たな需給調整システム」といわれるものです。簡単にいえば、今年の米を作るに当たって、国があらかじめ必要な量(需要見通し)を示すので、これに基づいて農業者・農業者団体が主体的に需給調整し、需要に見合った計画生産をしようという趣旨です。
ここで「主体的に」という言葉を使いましたが、これをもって、行政は米の生産調整から手を引いていいということでは決してありません。制度上は生産調整の推進に当たり、行政が「指導・助言」するとされ、生産調整に参加しない農業者への働き掛けは主に行政の役割になります。
確かに、国や行政による生産目標数量の配分行為はなくなりますが、JAと行政が連携して、計画生産の実現を目指す点では何ら変わりはありません。
今回の農政改革は、土地利用型農業の担い手をしっかりつくり上げることが最大の狙いです。その経営安定には、米価の安定が不可欠です。価格が暴落し、かつ、余り米の処分も生産者自らが多額の負担をして行うという最悪の事態を招かないよう、心して取り組みたいものです。
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現在、森林は温暖化対策として注目を浴びていますが、日本の林業を山田さんはどのように見ていらっしゃいますか?
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私が全国農業協同組合中央会に在籍中、非常にお世話になった方から「木材と人材は山でしか育たない」と、森林の大切さ、林業の重要性を説いていただいたことを今でも覚えています。
現在、日本の国土の約7割に当たる2,512万haが森林で、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止をはじめ多面的な機能を果たしており、将来にわたり森林のもたらす恩恵を享受していくためには、国民全体で森林・林業を支えていかなければなりません。
しかし、林業経営に目を向けてみると、国産材は外材シェアの高まりや、新設住宅着工戸数の伸び悩みなどから需要量が減少し、長期にわたる原木価格の低迷が続いており、それに伴う林業採算性の悪化、山村地域の過疎化・高齢化の進行をもたらしています。
私は、日本国民の基盤産業である林業と農業の果たすべき共通の役割や今後の課題に対し、農林一体となった施策の充実・強化が必要不可欠であると考えております。そのためにも国産材の利活用の拡大、炭酸ガス吸収源の機能をはじめ「森林立国」の日本という国民理解の浸透をはかり、林業の活性化、しいては農山村の活性化につなげていきたいと思います。
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都市農業に関するお考えを是非聞かせてください。1989年から始まった日米構造協議以降、我々都市農業者は低未利用地扱いされてきましたが、わずかな変化がここにきてみられ始めました。ところが新生産緑地法など都市の内を取り巻く現行法では、農地の減少は止まりません。
現職の衆参議員の皆様による国会質問は危機的状況の都市農民にとって励まされる点は多々あったのですが、都市農業が生き残れるための具体的な法整備が急務であると考えるのですが、お考えや具体的な法整備論等がありましたら是非お聞かせ下さい。(要約)
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消費地に近く、安全・安心な農産物を都市住民に供給し、潤いのある緑空間を提供する都市農業・都市農地への期待は、近年とくに大きくなっています。しかし一方で、日本農業全体が担い手の高齢化・減少に直面しているいま、都市農業も例外ではないと思います。そして、都市農地は、とくに三大都市圏特定市街化区域農地には、税制等の面で特有の制約要件があるために、その維持が難しくなっていることも事実です。
これまで、都市農業・都市農地は、農業に情熱を燃やす農家個人の努力と生産緑地制度、そして相続税納税猶予制度によりかろうじて守られてきたといっても過言ではありません。それでも、地価の高い地域においては、均分相続ということもあり、高額な相続税支払いのため農地を切り売りせざるを得ず、相続が発生するたびに貴重な農地が減少しているのが実態です。
現在の農政の基本方向は、農地の所有権と利用権を分離し、利用権は担い手に集中させる方向ですが、こと市街化区域においては、その農政の基本方向が当てはまらないことも、問題を複雑にしています。
様々な機関において都市農業問題が検討されており、新たな制度の構築が模索されていると仄聞しています。
いずれにせよ、問題解決のためには、「都市農地を守れ。都市に農業が必要だ」という強力な世論を味方につけることが必要不可欠であり、都市農家の皆さんもさらに世論形成に努めていっていただきたいと思います。私も頑張ります。













