参議院議員 山田としお

全国農業協同組合中央会(JA全中)元専務理事

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    ***山田としお メールマガジン No.178***   
   
                 2010年3月19日発行

        山田としお公式ホームページ
      (http://www.yamada-toshio.jp/)

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        「食料・農業・農村基本計画(素案)」を質す

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  16日の農林水産委員会で再び質疑に立ちました。
 
  これは、国会の都度行われる大臣の所信表明に対する質疑で、内
容は各委員の判断に任されています。
 
  参議院の農林水産委員会委員は、自民党は6人いますが、うち3人
の先生は今回の7月の選挙には立候補されず、2人の先生は改選を目
指して選挙戦が始まっています。6人の中で残っているのは私だけ、
という事情で私にお鉢が回り、結局、1時間50分の質疑を引き受け
ることになりました。
 
  私は、12日の食料・農業・農村政策審議会企画部会に大臣が提出
した、食料・農業・農村基本計画(素案)を取り上げることにしま
した。この基本計画は法律にのっとり5年に一度改定されるもので、
この3月末に完成させ、発表される予定となっています。その時々
の農政の基本方向を定めるもので、新政権としても力が入ったもの
です。内容は、地球環境問題、世界的な食料不足問題、自給率向上
問題、食の安全・安心の問題等多岐にわたっており、当然、新政権
ご自慢の戸別所得補償制度もしっかり書き込まれています。私は、
将来の農業生産の担い手の展望、戸別所得補償と生産調整の問題、
WTO等の貿易問題、関連する法律の扱い、自給率50%を目指す生産
数量目標の設定等について質疑しました。
 
  私の一番の問題意識は、コメの戸別所得補償モデル事業が、
「すべての販売農家」を対象としたことと関連して、民主党農政が、
わが国農業の将来をどう描いているかということでした。確かに、
前政権の自民党においても、農村に規模による格差を導入すること
について大議論があり、私も、JA全中の専務時代には、4ヘク
タール等の画一的な規模基準の設定に徹底して反対しました。その
結果、中山間地や複合経営について都道府県知事による特認の仕組
みが導入されました。しかし、3年前の参議院選挙に敗北し、今度
は、私も自民党の議員として、あらためて、この基準の見直しを主
張し、市町村長や水田農業協議会が地域の実情を踏まえて地域の担
い手たり得ると認めれば、年齢や規模や兼業等にこだわらず所得補
償の対象にできる仕組みに改め、再出発していました。
 
  今回の、新政権のコメのモデル事業は、まさに前政権の政策への
反発を踏まえ、すべての販売農家を対象にするという案として、ま
さに「後出しジャンケン」で多くの農業者の支持を得て、総選挙で
勝利したものです。
 
  私の疑問は、わが国の小規模零細な農業構造の実態からして、民
主党政権においても、わが国農業を活性化し、国民合意を得て、必
要な財源を確保するためにも、農地の利用集積や集落営農の推進等
の条件整備をきちんと行った上で、地域の担い手をつくり上げるこ
とが必要ではないのか、ということでした。
 
  ところが、民主党政権は、「意欲あるすべての農業者が農業生産
を通じて所得を維持する」として、次の選挙を意識した受けのいい
主張を行いながら、しかし、その一方で、前政権の自民党が大議論
をしながら打ち出していた「効率的かつ安定的な経営を目指す」と
いう方向を基本計画素案にちゃっかりと入れています。一体、民主
党政権は、どこを目指しているのでしょうか。
 
  私の質疑のポイントは、これまでの基本計画に盛り込んでいた地
域の実情を踏まえた35の多様な経営形態についての経営展望を示す
べきだというものでした。赤松大臣は、この内容を理解されている
のでしょうか。赤松大臣は郡司副大臣に応答させていましたが、と
もかく、問題意識は伝えることができたと思います。
 
  このほか、戸別所得補償制度の実施に関連して、認定農業者の生
産調整の目標達成要件を外したことが、コメの過剰生産につながり
米価の低落を引き起こしかねないこと、よほど需給調整をしっかり
やらないと、民主党政権にマイナスだということだけでなく、農業
者に大変な困難を与えることになるので、今から備蓄の運用とあわ
せてコメの民間流通在庫が増えていることへの対策を講ずるべきだ
と指摘しました。
 
  さらに、新聞各紙が「農協はずし」と報道した、「農業関係団体
を経由・活用した施策の推進は、関わりの薄い担い手に対して施策
を伝えることになっていなかった」ので、今後は「施策対象に直接
作用するものに改善する」という内容の3か所にわたる記述は、協
同活動により地域の農業を支えているという、わが国農業の特性や
実態を踏まえていない「木を見て森を見ない」指摘だと反論しまし
た。
 
  農林水産委員会の事務局によると、1時間50分という質疑時間は、
過去10年では例が無いほど、極めて長いものだったそうです。しか
し、それでも時間が足りず、質疑を予定していた項目をだいぶ省略
することになってしまいました。
 
  それにしても、それなりにやりがいのある質疑となりました。お
かげで私自身も勉強することができました。

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