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山田としお メールマガジン270号
「一体改革」、私の判断基準は、TPP阻止

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       ***山田としお メールマガジン No.270***


                    2012年8月14日発行

               山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)
 
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     「一体改革」、私の判断基準は、TPP阻止
 
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【解散は約束できたのか】

 暑いお盆をそれぞれの思いを持ってお過ごしのことと拝察します。
多くの皆さんは、ふるさとにお帰りでしょうか。私も、84歳の母親
が腰を痛めて寝たきりになり、ふるさと富山の実家に家内と一緒に
帰っています。明日は父親の墓参りです。

 ところで先週末までの国会は大変でした。そうしたなかで、社会
保障と税の一体改革法が成立しました。混乱の原因は、民主党が自
らのマニフェスト違反ということで、小沢派を中心に大量離党した
ことであり、また法案が参議院にきてからは審議の先延ばしを画策
した輿石幹事長に原因があります。

 結局、衆議院での可決前に行われた自公民3党の合意の信義に沿
って、自公が我慢を重ね野田総理を助けました。この間のいきさつ
は、皆さんもご案内の通りですが、法案を通すからには、衆議院の
解散を確約させるとの自公の注文はどの程度約束されたのか、総理
の「近いうちに信を問う」というのは時期も明示して確約されたの
か、特例公債法案の成立など条件をつけつつも秋口解散の期日が示
されたのか、それとも、「解散については嘘をついてもいい」とい
う政界の言い伝え通り、暗闇の中で何も無いことになるのか、我々
も分かりません。

 皆さんも、それぞれ新聞等の情報で、それぞれの判断をされてい
ると思いますが、私は、議員の一人として、これらの動きを近くで
見てきたわけですし、党の各種会合で議論を聞き、発言もしてきた
のですから、この際、私が賛成票を投じたことの判断を整理してお
くべきだと考えたので、私の考えを申し上げておきたい。


【民主党は選挙互助会だった】

 まず、最初に民主党のことに触れておかざるを得ません。マニュ
フェストになかった消費税引き上げのことをまず言いだしたのは菅
前総理でした。それも「自民党の提案を参考にする」という菅さん
らしい言い方です。そして、野田総理が政治生命をかけて取り組む
と言明しました。それに反発して、異論者が離党しました。もっと
も消費税の問題だけではないのでしょう。もともと民主党は、考え
が右から左まで、それぞれの政治的な分野に属していた人たちが、
1対1の小選挙区で勝利するには選挙互助会的に集まって、勝つため
には何を公約してもいいということで筋の通っていないマニフェス
トを作り、選挙して、圧倒的な支持を得たのです。

 だから、マニフェストの具体化の中では、こうした対立が当然起
こりえたのです。とりわけ野田総理が、鳩山前々総理とも、菅前総
理とも異なり一気に新自由主義者の本質を現わし、演説はうまくて、
「日本の伝統文化を守り、美しい農村の景観の維持と、分厚い中間
層をつくり、安定した社会をめざす」などと言いながら、米国依存
を強め、金融資本主義そのものの論理で日本の国柄をも変えかねな
いTPP参加にのめり込んでしまうというのです。民主党内には、そ
のことへの耐えがたい嫌悪感もあって、次の選挙での互助会的手助
けをもあきらめて離党者が相次ぎました。それほど、野田総理と、
そのグループである前原氏・岡田氏・仙石氏等の幹部たちは、民主
党内でも異質でした。

 にもかかわらず、その野田総理を助けるような形で自民党と公明
党が消費税の引き上げを前提に三党合意をまとめ、そして法案の成
立を実現させたのですが、私の思いは、野田総理が政治生命をかけ
るという消費税で協力し、その見返りとして野田総理を引きずり降
ろすべく、その退陣と解散を約束させることでした。TPP交渉参加
に邁進する野田総理を何としても辞めさせ、農林漁業のみならずこ
の大切な日本を壊させない、そのためには評価の分かれる消費税の
引き上げもやむを得ないという判断でした。もっとも野田総理を追
い込むには、参議院で自公を除く少数野党が提出した問責決議に乗
る方法もあったわけですが、少数野党の問責決議の理由は、三党の
合意を野合と批判し、消費税の引き上げに絶対反対するものであり、
この内容では一緒に乗れませんでした。私もそう思います。


【私の消費税への判断】

 さて、私の賛成の判断は、次の理由でした。

 一つは、高齢化の進行で、毎年1兆円の社会保障関係予算が増加
します。現在、政府の一般会計予算は90兆円に上りますが、地方交
付税16.6兆円、国債の償還・利子負担等21.9兆円、残り約50兆円が
政策経費になります。そのうちの半分以上の26.4兆円が医療・福
祉・介護・年金・雇用保険・生活保護費となっています。残った額
で、文教科学(5.4兆円)、国土交通(4.5兆円)、防衛(4.7兆
円)、農林漁業(2.2兆円)等を賄っているわけですが、農林漁業
などは年々削減され、ましてや戸別所得補償費を増やしているため、
農山漁村整備事業や強い農業づくりのための共同利用施設事業や担
い手をつくるための農地の利用集積のための予算が大きく減ってい
ます。ともかく必要な社会保障費の確保は何としても必要なのであ
り、これ以上他の予算を削減しなくてもいいように、消費税の引き
上げをお願いせざるを得ないということなのです。

 二つは、これまで20年続くデフレ経済を何としても克服しなけれ
ばならないということです。そのためには、災害が多く、今後心配
される東南海地震にも備えるための強靭な国土づくりに向けて建設
国債等の増発を恐れず取り組むことであり、さらには原発に依存し
ないためには再生可能エネルギーへの取り組み等が着実になされな
ければならないのです。そのための財源の裏付けが必要であり、安
定財源である消費税の引き上げを可能とする条件と仕組みを現時点
でつくりあげておく必要があるということなのです。

 三つは、その条件と仕組みですが、法律に盛り込まれている3%
アップは2年後の4月、さらに2%アップは3年後の10月になりますが、
そのためには、来年9月における経済成長が、年率で名目3%、実質
2%を実現していることを条件としていることです。わが国の直近
の経済成長率は、震災復興に後押しされて、ようやくマイナスを脱
し、実質で年率1.4%だと公表されています(2012年4〜6月)が、
まだまだ安定したものでないとも言われています。これを安定した
ものにしていく、そして2%が確保された時に、半年後の4月に8%
の消費税にするということなのです。食料品等に対する軽減税率や、
低所得者に対する税額控除や現物給付等の議論もその時まで整理し
ておくことになります。


【新しい日本をどうつくるか、政界再編は必至】

 といっても問題は簡単ではありません。

 一つは、無駄を省き削ることをきちんとやることが求められます。
でないと国民の支持は得られません。当然です。

 二つは、金融資本主義が世界を覆い尽くし、競争をあおり、意図
的な為替誘導がなされ円高が作り出されていると言われている世界
経済の中で、我が国一国の経済成長を実現できるのかということで
す。そのためにこそTPP参加が必要なんだということになるのであ
れば元も子もありません。絶対容認できません。

 一方で、近年の世界の経済成長が、貧富の格差を拡大させる形で
進んでいるという問題意識から、いたずらに経済成長を追い求める
のでなくて、落ち着いた暮らしを実現することが新しい資本主義の
方向であるべきだという主張があることです。

 これにどう答えてゆくか、大きな課題です。

 しかし、このことを承知した上で、ともかくこのデフレを克服し
ないと、当面する社会保障経費を賄えないし、さらに高齢化が進む
中で、「自助・自立を基本に、次に自らの拠出による共助、そして
最後に国による公助」を理念とする社会保障制度の改革にも手がつ
かないのです。

 以上、色々と述べましたが、自分自身でも、弁解しているように
思えてなりません。

 やはりこの日本をどうするのか、新しい日本型資本主義を考える
会で取り組んだ「まっとうな日本をつくる」ことにかかっているの
だと思います。
 
 今国会では、衆議院で少数野党から不信任決議が提出され、自民
党内から欠席という党の方針に反して不信任決議に賛成票を投じた
議員が7人出ました。これら議員の大半は、かつての小泉政権下で
有力な閣僚を務めた議員であり、いわゆる経済成長派であり、新自
由主義派でもあり、TPP賛成派でもあります。デフレ克服に異論は
ないはずですが、消費税引き上げは賛成できないというのでしょう
が、ではどうするのか。谷垣総裁ではだめなんだということなのか
もしれません。

 総選挙後はどういう構図になるのか見当がつきませんが、自民党
も一定の再編は必至ということを予感させる出来事でした。


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