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山田としお メールマガジン317号
忘れられている大切な理念と政策

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    ***山田としお メールマガジン No.317***


                    2013年9月19日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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       忘れられている大切な理念と政策

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【納得できない経済界の農業批判】

 産業競争力会議や規制改革会議で、農地制度が取り上げられ、株
式会社の農地所有による農業経営への参入や、農業生産法人への株
式会社の出資比率の拡大と、役員の農作業への従事日数基準の削減
等が焦点になっています。ともに、今や経済界の新しい寵児となっ
ているコンビニ経営者や、新自由主義の経済学者等から出されてい
るものです。

 マスコミは、TPPのこともあり、農業の競争力を高めるために必
要であるとはやしたて、また、資産としての農地にしがみつく農業
者やJAや農業委員会等の既得権を除くためにもいい方法だと煽っ
ています。

 本当にそうなのでしょうか。日本をどこに向かわせようとしてい
るのか、心配です。


【一貫していた農地耕作者主義】

 日本という国は、弥生時代から稲作を中心に農業生産を行い、大
和朝廷時代からの班田収授の法以来、武士社会の所領安堵、近代国
家になってからの地主小作制度等々の歴史の中で、生産の基盤であ
る農地を維持し守ってきました。戦後、「砂土を黄金に変えた」農
地解放で、一挙に生産力を回復させ、食糧危機を脱し、高度経済成
長を果たしました。わが国の土地所有の形は、まさに多様でしたが、
一貫して、気候や風土や農作業の特性からして、農地耕作者主義が
貫かれていたのです。


【ヨーロッパの取り組みを学ぶべき】

 ヨーロッパもそうです。封建領主の下で、その後の共和国体制の
下でも、耕作者が農地を所有し、賃借し、占有しながら生産を担っ
てきました。近年は、国際化の下で、これら耕作者の経営規模を拡
大し、より有効な農地利用を進め、耕作者たる農業者の国民として
の独立と自営を進めるための政策が追求されてきました。

 だからフランスでは、わが国がかつても挑戦し、今般、法律化を
目指す「農地中間管理機構案」よりももっと権限が強い公的な農地
管理を目指す取り組みを一貫して進めてきました。それが「サフェ
ール」という、農地移動時の先買い権を持った公的な土地整備機関
です。農地の売り買いの情報はまずサフェールに届き、必要な場合
は、このサフェールが介入し、当該農地の先買い権を有し、いたず
らな高値取引や転用等を防ぎ、必要な新規就農者や規模拡大農家に
売り渡す機能を持っています。これまでの移動農地の20%は、この
サフェールの先買い・売り渡しが占めていると言われています。

 この結果、フランスでは、農業者の平均耕作面積は、1960年代の
15haから、今や50haになっているといいます。そして、フランスで
は、新しく農地を所有ないし借り入れる場合、あくまでその農地に
隣接して居住することが求められ、また、追加的な農地の取得も、
本拠地の農地から5km以内に制限され、それより離れた場合は、
厳格な許可制になっています。もちろん会社的な農業生産法人も近
年増えていますが、家族経営の近代的発展の延長にある組合的・共
同経営的な性格のものであり、大部分は有限会社や農業協同組合で
あり、株式会社形態のものは例外的であるといいます。まさに、属
地的な耕作者主義が厳格に守られているのです。


【日本の土地政策はどうなっているのか】

 そしてこの背景には、ヨーロッパに特徴的な城郭都市にみられる
コンパクトな都市形成を基本とした都市計画制度と、膨大かつ詳細
な規制措置があり、いたずらな農地転用は厳しく制限され、その一
方での農地と農業サイドの規制と相まって、農業空間の維持保全が
なされているのです。もちろん、農業者の住宅や施設の拡大や転用
も、規制を受けています。

 ひるがえって、日本の土地政策はどうだったのか。生活上必要と
いうことで、国道や県道等の沿道側の農地は、地域によって異なる
ようですが、相当の幅で転用が認められています。日本中の国道等
の沿線は、あらゆる生活に必要な色とりどりの多様な建物で埋めら
れています。それに景観上の秩序等は全くありません。今や、廃業
したガソリンスタンドや、隣りに進出した店に負けたパチンコ店や、
乱立して安値を競った大型電気小売店や、一時多くの客を集めたス
ーパーマーケットや、中古自動車販売店等が、くしの歯が抜けたよ
うに、ボロボロに千切れた桃太郎旗を風になびかせて、廃墟になっ
ています。

 多様で制限のない株式会社等の農地所有による農業参入は、まさ
に沿道の猥雑さを農業地帯に拡大してしまうのではないのか。それ
は許せません。

 農業者が誇りを持って農業にいそしみ、食べてゆける所得を実現
し、家族を、地域を、そして日本を守る、そうした理念と政策が必
要なのです。


【総理、「美しい国、日本」をつくりましょう】

 産業競争力会議や規制改革会議の議論では、農地中間管理機構が
借り入れた農地の貸し出し先は公募にして、全国の企業に参入の機
会を与えるべきだ、企業に農地所有を認めるべきだ、農業生産法人
への出資割合を拡大して企業の意向が通るようにすべきだ、民間ビ
ジネスの活用をはかるために不動産業への業務委託を進めるべきだ、
これまで地域で取り組んできた人・農地プランの取り組みは既得権
の温床だ、等々の意見がまことしやかに出ているといいます。

 一体どんな国をつくるのか。都会で、資金力にものを言わせ、も
うけ主義で、不動産業なのか小売店なのか金融業なのかわからない
動きをして、農地をつぶし、転用する。農村の景観も中心市街地の
シャッター街化も関係ない。そんな農業づくり、地域づくり、街づ
くり、国づくりでいいのでしょうか。

 安倍総理は、著書『新しい国へ 美しい国へ 完全版』で、「息を
のむほど美しい棚田、その田園風景があってこそ、麗しい日本なの
です」と書いておいでになります。そして、別の挨拶で、初めての
出馬の時、「ごつごつした手で握りしめて励ましてくれた農業者」
「これが自分の政治家としての原点です」とおっしゃっています。
感銘を受けました。総理はまた、TPPについても、「食と農は守り
ます」「私を信じてください」と繰り返されています。これらのこ
とに、アベノミクス並みのリーダーシップを発揮していただきたい。

 かつての美しい日本を愛してやまず日本に永住した米国人アレッ
クス・カー氏は、著書『美しき日本の残像』で、「今、日本は世界
の中で『醜い国』の一つになってきているのです。外国人の友人た
ちは日本に来るとほとんどの人が失望します。友人に『どこまで行
けば立て看板、電線、コンクリートが見えなくなるのか?』と聞か
れると答えることができません。」と書いています。

 総理、何とかしましょう。


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