参議院議員 山田としお

全国農業協同組合中央会(JA全中)元専務理事

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    ***山田としお メールマガジン No.362***


                     2015年11月4日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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     TPP対策の骨格は、経営所得安定制度の確立だ

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  【九州地区の会長会議で厳しい決議】

 九州ブロックのJA中央会・連合会会長会議の場において、農協
法改正とTPP大筋合意について、決議がなされました。

 農協法については、准組合員の利用規制の導入は断固反対、総合
事業の堅持、JA役員の選出にあたっては地域の実態を反映するこ
と、県中央会の非課税措置の継続等です。

 TPPについては、広範かつ甚大な影響が生じる心配があり、農家
の所得減少や新たな負担が強いられることのないよう、品目ごとの
万全の対策の実施、安定的な農業経営を継続可能とする経営安定対
策の強化等を求めるものです。

 極めて適切な決議です。この具体化に向けて、私たち国会議員は
全力を挙げなければなりません。この実現がなければ、来年の参議
院選挙では農業者の大反乱が起こりかねません。

 ところで農協法については、参議院農林水産委員会の附帯決議に、
指摘の事項を盛り込んでおり、附帯決議がきちんと実現されるよう
に全力を挙げます。


【政府のTPP対応の基本方針は楽観的過ぎる】

 政府は、10月9日に安倍総理を本部長とするTPP総合対策本部を設
置し、今回のTPP大筋合意を「アジア太平洋の世紀」の幕開けとな
る画期的なものとして受け止め、「チャンスに満ち溢れた日本」を
取り戻し、日本の未来を切り開く歴史的第一歩であると自賛し、そ
のうえでTPPの影響に関する国民の懸念と不安を払拭することも不
可欠であるとし、以下の3点について対策を講ずるとしています。

 一つは、TPPの活用促進による新たな市場開拓を促すというもの
    であり、TPPをチャンスととらえ、海外から投資や人を呼
    び込んで経済を再生し、地方の中小企業も世界に踏み出す
    など地方創生に直結させる、そのための対策を講ずる

 二つは、TPPを契機としたイノベーションの促進・産業活性化を
    進めるというものであり、生産技術の向上、産業間・企業
    間の連携により新しい産業を創出し、経済全体の生産性を
    向上させる、こうした動きを加速する措置を講ずる

 三つは、TPPの影響に関する国民の不安を払拭するというもので
    あり、特に農林水産物の重要品目については、将来にわた
    って意欲ある農林漁業者が希望をもって経営に取り組める
    ようにすることにより、確実に再生産が可能となるように
    するとともに、強くて豊かな日本の農林水産業、美しく活
    力ある農山漁村の構築に向けた万全の体質強化対策を講ず
    る

 しかし、TPP大筋合意をもろ手を挙げて評価し、「我が国にとっ
ても国益を確保し、成長を確かなものとし、次の世代、そのまた次
の世代に繁栄と活力を受け継ぎ、日本の未来を切り開く歴史的第一
歩である」とまで宣言されると、「ちょっと待ってほしい」と言わ
ざるを得ません。確かに、TPP大筋合意後の新聞各紙の世論調査で
は、59%が評価する、28%が評価しないという結果も報道されてい
ますが、農業者を中心とした日本農業新聞の調査では、78%が評価
しないという結果です。政府は地方の農業者の不安や憤りが分かっ
ているのかと言いたくなります。九州のJAの会長さんたちの心配
はもっともです。


【新たな懸念は、日中韓と日EU協議の動き】

 ところで、ここにきて、新しい動きが出てきています。それは、
3年半ぶりの日中韓首脳会談で、日中韓のFTA(自由貿易協定)交渉
の加速化が議題に上り、いつまでに合意するという約束がなされた
のではないかという懸念です。次回会合は、日本が議長国として主
催するということなので、来年の秋までに、日中韓のFTA協議が急
速に進むのではないかという心配です。日中韓の首脳会議には経済
界の多数の企業関係者も同道していたので、そうしたことが話題に
なるのは当然なのでしょう。

 韓国は、TPP加盟にも関心があるということですが、そのTPPも米
国の大統領選挙戦による制約や、米国議会の重鎮が医薬品の特許期
間の問題で大筋合意の内容に不満を持っており、議会への通知や、
大統領による署名、そして議会による批准について、全く予想がつ
かず、ましてや再交渉を求める動きも出て来るのではないかとまで
言われています。そうした中では、来年の秋までの動きは全く予想
がつかないのですが、一方で日中韓も動き出す可能性があるという
ことです。

 しかし、両国との交渉は容易でないと思います。同じ東アジアの
隣国として、これまでも多くの農産物や加工食品の貿易を行ってき
ましたし、生産される作物も似ていて、大きな競争が起きる可能性
があります。まして中国は、我が国に比べて農産物の価格が低く、
我が国の農産物市場は一気に中国に席巻されかねません。一方、我
が国にとっても大人口を抱える中国の市場は魅力でもあり、安全安
心な我が国の農畜産物は、価格は高くても中国の市場では大きな評
価を受ける可能性があります。また食品会社は、一挙に労賃の安い
中国に移転しかねません。そして、我が国に輸出攻勢をかけてくる
でしょう。状況は違うと言え、韓国との間でも同じような事態が生
じかねません。

 そしてこれも報道によると、日EUのEPA(経済連携協定)交渉も
急ぐべきだとする意見が出ているようです。とりわけ産業界からは
強い要求があるようですが、農畜産物は、EU側からの酪農品や豚肉
等の輸出拡大で、我が国との間で大きな争点になります。我が国の
酪農生産は、米国・カナダ・ニュージーランド・オーストラリアに
加えて、EUからの攻勢に耐えなければならなくなるのです。
 もちろん、これらの動きは、今すぐと言うことはないでしょうが、
しかし、上記のTPP総合対策本部の基本方針にある「新たな市場開
拓」「産業活性化」「チャンスに満ち溢れた日本」という掛け声か
らすると、政府は、世界各国との連携を進めずにおかないでしょう。


【新しい思想と理念が必要なのだ】

 そうした中で、島国で、雨が多く、山々が70%を占め、農地に制
約がある我が国の農林水産業は、どう立ち向かうことが出来るので
しょうか。「強くて豊かな農林水産業」「美しく活力ある農山漁村
づくりに向けた体質強化対策」の政策方向に異存はありませんが、
具体的にどうするのか。方針に盛り込んでいる「担い手の育成」
「農地の集積」「農業生産性の向上」「国産の強みを生かした差別
化」「6次産業化等による高付加価値化」の方向も異存はありませ
ん。

 しかし、小規模零細農家を作った農地改革はマイナスだという考
え方で、最も問題を抱えている中山間地の農地集積は対象にしない、
県外からも農外企業を公募し入札で農業に参入させる、これまで地
域の実態を踏まえて汗を流して努力してきたJAの集落営農や農地
利用集積の取り組みは遅れた形だから評価しない、というような農
地中間管理機構中心の政策強化では、強権的ではあっても地域の実
態に応じた成果を生みません。

 家族農業を中心に、集落営農や農業生産法人を育成し、担い手を
確保し、地域の協同を大事にした産地づくり、ブランドづくり、加
工・販売等の6次産業化も進める。そのことによって、大事な地域
を支え日本という国を支えることが出来る。その場で、JAが適切
な役割を果たす。もちろん地域に根差した多くの企業や商店も役割
を果たす。こうした思想と理念が必要なんだと思います。


【TPP大綱に、米国・EU並みの経営所得安定制度の確立を盛り込む
べき】

 そして、それらの取り組みを支えるためにこそ、米国やEUが実施
している経営所得安定制度や直接支払の制度が必要なのです。米国
もEUも国の創生に当たっての歴史的な事情もありますが、国の成り
立ちの基礎をなす農業を大事にしてきました。また数多くの隣国と
の戦争による飢餓も経験しながら、その一方で過剰農産物による国
内価格の低迷や、その輸出も課題としてきました。その歴史の中で、
自立農家を大事にし、その経営を各種の政策で支えてきました。で
すから、農産物の貿易も関税を撤廃し自由化してきている一方で、
個別農家の経営所得の安定対策を講じています。両国ともに株式会
社の農業参入は認めてはいないのです。

 まさに、今、日本では、こうした政策の方向が確立されなければ
ならないのです。

 国内対策の議論が自民党で精力的になされ、多くの議員が参加し
ています。影響を受ける作物に対する品目ごとのきめの細かい国内
対策は絶対に必要です。しかし、これに加えて、これから確実に予
測される圧倒的な関税撤廃等の自由化を控えて、日本の国土を守り
地域を守り家族を守る農業者に対する経営所得安定対策をきちんと
つくりあげることが必須です。

 もちろん、品目ごとの特色があり、牛肉も豚肉も鶏肉も米も野菜
も果実も一緒にした制度作りは困難だと思います。これまでも作物
の特性に応じた各種の価格安定制度がつくられており、米と畑作を
含めた経営所得安定制度、牛肉と豚肉にはコストに着目した所得補
てん制度、野菜や果実の価格安定制度、そして災害対応の共済制度
等があります。ですから、今、ただちに画期的な新たな経営所得安
定制度ができるとは思いません。昨年6月に閣議決定している農林
水産業・地域の活力創造プランでは、収入保険制度の検討を打ち出
していますが、この設計も早急にできるとは思えません。

 まさに、農業のみならず、我が国経済全体にとって大きな環境変
化につながる今回のTPP大筋合意やこれから始まる日中韓・日EU等
との経済連携協議を見据えて、?品目ごとの諸対策、?我が国が宿
命的に抱える制約された国土の基盤整備対策、?我が国の特色ある
作物を世界に向けて輸出する市場開拓対策を、今回のTPP対策大綱
に盛り込むと同時に、次の対策としての抜本的な経営所得安定制度
の確立を盛り込むべきなのです。今がそのチャンスだからです。今
をおいて、検討のチャンスは来ないからです。そのために必要な検
討体制や期間も盛り込むべきです。


【産業界も、ともに発展する思想で論議を進めるべき】

 今回のTPP対策本部の基本方針には、産業競争力会議などでの検
討もわざわざ盛り込んでいます。それであれば、これら産業界が、
過保護農業を合理化する、バラ撒きは許さない、というこれまでの
思想を改め、真に我が国の農業政策の抜本的な転換につながる経営
所得安定制度の確立を支援するという姿勢で臨んでもらわなければ
なりません。大局に立って、米国やEU並みの制度を作り上げようと
いうことで一致すべきなのです。産業界も、我が国の国の成り立ち
と在り方を考え、ともに発展する思想でもって論議を進めてもらい
たい。

 大事な日本を壊してはならないのです。


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