参議院議員 山田としお

全国農業協同組合中央会(JA全中)元専務理事

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    ***山田としお メールマガジン No.363***


                     2015年11月24日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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                   TPP対策決まる

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【年末の補正予算、本予算、そして来年秋に向けて継続的に対策】

 TPPの大筋合意に対する国内対策が決まりました。もちろん今回
ですべてを決めたということではなくて、署名・批准、さらには今
後の貿易の進展に応じて影響分析を徹底し、継続して対策を講じて
いくのはもちろんです。そのため、今回の対策は、

[1] 産業政策と地域政策の両輪を進める攻めの対策として、体質
     強化対策を重点化。

[2] とともに、重要5品目を中心に、関税削減等に対する農業者の
   不安と懸念を払拭するため、TPP協定発効後の経営安定対策を
     充実させる措置を講じる。

[3] 今後、対策の効果の検証や検討を継続していくこととし、戦
   略的な輸出体制の整備や、そのためのチェックオフ制度の導
     入など、より具体的な検討項目を掲げている。

[4] そのうえで、これらの対策に必要な安定財源の確保や基金な
   どの仕組みの構築を提言しました。

 今回のTPP大筋合意については、甘利大臣をはじめ交渉者は相当
頑張ったと思います。しかし、重要5品目の関税削減や輸入枠の拡
大が行われ、「聖域」に手がついたということで、国会の決議に違
反するものであるとして反発が続いています。加えて、交渉の焦点
にはならないと受け止められ、交渉途中に一切情報がなかった果樹
や野菜等について多くの品目で関税撤廃が合意されたことから、怒
りが増幅しています。「影響は軽微」という説明では到底納得がい
かない不安や憤りです。5年余の間、一貫して、TPP反対に取り組ん
できたものからすると、納得がいかないのはもっともです。

 そうした中で、島根の自民党県連による農業団体への回答が率直
で、いくつかの県から「わが県もこうあってほしかった」という声
を聴きました。島根県連の回答は、「重要5品目の関税を『聖域』
と位置づけ守ることを約束し、総力を挙げて取り組んでまいりまし
たが、結果として守り切れなかったことは非常に残念に思います。
この結果に至ったことに対しては、心より申し訳なく思う次第であ
ります。今後、TPP合意内容の方向付けを更に検証し、耕作条件が
不利な中山間地域が大部分を占める島根県農業を守るため、全力で
取り組んでまいります」というものでした。

 と言うのは、政府のTPP総合対策本部の基本方針が、今回のTPP大
筋合意を、「日本の未来を切り開く歴史的第一歩である」と高らか
に評価していることに、農林漁業者や地方の関係者は違和感を覚え
ているということなのだと思います。要は、党も政府も、全国を見
渡し、日本の国の在り方に目を配って、率直な対応で、ともに考え、
対処する姿勢を持ってもらいたいということです。


【経営所得安定制度の確立が何としても必要】


 私自身は、今回の大筋合意は、農産物、とりわけ牛肉や豚肉の輸
出に異常なくらいの要求を持っている米国と交渉するわけなので、
相当な妥協が求められかねないと懸念していました。その点は、2
年半前の、安倍―オバマ首脳会談で、「両国のセンシティビティを
認識して交渉を進める」と共同声明していましたし、国会決議もあ
り国内の強い運動もあったので、相当頑張れると思っていましたが、
内容は、かなりの切り込みが求められたと思います。

《牛肉・豚肉》
 そのため、党の対策も、牛肉と豚肉については通称マルキンと称
している経営安定対策の法制化と、牛・豚ともに補てん率を9割に
引き上げ、豚は牛並みの国の負担割合の引き上げが行われました。
これは画期的な取り組みです。

《乳製品》
 バター不足が連日報道される環境の中で、脱脂粉乳とバターにつ
いては民間貿易による輸入枠が設定されました。これまでは、国家
貿易のもとで不足時に国が追加的な輸入を行っていましたが、今後
は生乳換算で6万トンの枠内で商社等の民間も輸入できることとな
りました。これがどう生乳の計画生産に影響を与えるか、この制度
転換の意味は大きいと思います。今回の対策では、生クリーム等の
液状乳製品が生産者補給金の対象に追加されましたが、この運用と
相まって、生乳の需給調整対策と現行の加工原料乳の補給金交付対
策を引き続き行うとともに、都府県の飲用乳の生産・流通・価格形
成の在り方や、離農が相次ぐ酪農家の経営所得安定対策が検討され
なければなりません。

《コメ》
 コメについての心配もありましたが、8万トンの輸入枠拡大分に
相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れることで、需給と価
格に影響を与えない仕組みとされました。しかし、これで需給調整
が出来るかどうか、現行の収入減少影響緩和対策(ナラシ)のさら
なる拡充が必要です。

《果樹》
 果樹の産地からは、段階的に関税撤廃が進むため、大きな不安の
声が出されています。今回の対策でも特別な対策が打ち出されなか
ったこともあるのですが、品質がいいので輸入に影響を受けないと
か、国を挙げた輸出対策を講じて攻めの取り組みを行っていこうと
言われても、不安は尽きません。とりわけ、災害が多いことや、豊
凶によって価格差が大きいこと、海外からジュース等の加工品が大
量に入ってくる心配があること等、不安は尽きません。現行でも一
定の対策があるとはいえ、十分なものではありません。これらに対
する抜本的な対策が講じられなければなりません。


【何故、経営所得安定制度が必要なのか】

 ところで私は、連日の党における対策検討の会議で、一貫して、
欧米が実施している経営所得安定制度の確立を対策の将来の課題と
して盛り込むべきと主張しました。

 その理由は、TPPの大筋合意後に、一つは、日EUの経済連携協定
(EPA)交渉を急ごうという動きも出てきたということです。先日、
オーストリアの農業大臣にお会いしたら、オーストリアの牛肉とリ
ンゴの輸出を拡大したい、EPAを早急に結びましょうという話でし
た。もう一つは、3年半ぶりの日中韓の首脳会談で自由貿易協定(F
TA)交渉を急ごうということが協議されたことです。

 この二つのFTA・EPAは、TPPの署名すらなされていない現段階で
は、1〜2年で急速に進むとは思えませんが、もしそういうことにな
ったら、どんな世界が生まれてくるのでしょうか。
 
 EUは日本に比べて、平野も多く、気候も恵まれています。まだ若
干の関税措置を持つ農産物はありますが、近年のFTA・EPAにより自
由化率を高めています。しかし、歴史的に、さまざまの形での直接
支払を講じて、農業経営の所得安定制度を確立しているのです。

 一方で、中国とのFTAは容易でないと思いますが、結ぶことにな
ったら、投資の自由化を利用して日本の食品会社が中国に進出し、
まず、中国の国内での農産物の生産と加工と食品の提供を進め、あ
わせて日本への輸出を進めることが予想されます。安全安心で高品
質な日本の農産物の中国への輸出も増えるでしょうが、中国の人件
費の安さや物価の安さからして、日本の市場は中国産に席巻されか
ねません。

 そしてTPPを結んだ米国と言えば、圧倒的な農産物輸出国として、
近年のFTA・EPAでは農産物はほとんど自由化しています。その長い
歴史の中で、さまざまな試行錯誤はあったようですが、交付金や不
足払いやマーケティングローン等の各種の仕組みを組み合わせた経
営所得安定制度でもって、農業者の所得補てんを行っているのです。
まさに、EUも米国も、自由化する一方で経営所得安定制度により国
内農業を保護しているのです。各国の農業産出額に対する農業予算
の割合を見ても、日本は27%ですが、米国は65%、フランスは44%、
イギリスは42%、スイスは62%にも上っているのです(2011年、鈴
木宜弘先生の共著より)。

 ところが、我が国は、山が国土の70%を占め、雨が多いアジアモ
ンスーンの島国です。こうした状況で、日本の農業は、どう世界に
立ち向かうことができるのでしょうか、とうてい無理です。


【経済界サイドに「日本をどう強くするか」という思想が必要だ】

 まさに、今回のTPP大筋合意だけでなく、この先のことを考える
と、当面するTPPの国内対策において、島国日本の基盤整備や体質
強化対策にとどまらず、経営所得安定制度の確立を打ち出すことが
何としても必要なのです。もっとも、今回のTPP対策の最後の局面
で、牛肉と豚肉のマルキンの強化が行われたのは大きな前進ですが、
なお先々を考えて他の品目についての経営所得安定制度確立の方向
を打ち出すことが必要なのです。

 ところで、総理が本部長であるTPP総合対策本部の基本方針には、
経済財政諮問会議と産業競争力会議等の意見を聞くことが盛り込ま
れています。産業競争力会議等の「等」に入っている規制改革会議
も含め、これら会議のメンバーの任命は、国会承認事項ではありま
せん。メンバーをどこかで誰かが選び、出された意見が内閣の意見
としてまかり通ることになるのであれば、これは問題です。農協改
革問題で、イヤというほど思い知らされました。

 ともかく、農林漁業者への対策や予算は過保護農業を作るだけだ
と批判するメンバーによる意見では、日本の一次産業は崩壊してし
まいます。一次産業があって、家族があり、地域があり、国がある
のです。TPPでメリットを得る経済界サイドから、TPPで被害を受け
るサイドへの理解と支援が必要なのです。まさに「日本をどう強く
するのか」という思想が必要なのです。


【小泉部会長のこと】

 さて、今回のTPP対策検討の議論から、農林部会長が小泉進次郎
さんに代わりました。いまだ34歳で、連日の司会の場でも声が通る
し喋りもいい。大した若者だと思います。小泉さんの部会長就任に
あたり、稲田政調会長から「山田さんよろしく頼みますよ」と電話
がありましたし、小泉さん本人からも電話をもらいました。どうも、
私はよほどの抵抗勢力と警戒されているのでしょう。私は「全く異
存はありません、もちろん応援します」と答えました。

 小泉部会長の特色は、若い担い手を呼んでヒアリングしたことや、
地方での意見交換会にも積極的に出かけたこと、会議の場で手を挙
げたすべての人の意見を聞くという姿勢です。また、これは彼がも
ともと持っている考えなのでしょうが、やる気になれば新しい農業
を展開できるという思想です。それが、今回の対策の「『農政新時
代』〜努力が報われる農林水産業の実現に向けて〜」の標語になっ
ているのだと思います。対策にある「生産者の持つ可能性と潜在力
をいかんなく発揮できる環境を整えることで、次の世代に対しても
日本の豊かな食や美しく活力ある地域を引き渡していけると確信し
ている」との文言も、その思想でしょう。

 私も、そのことに異存はありません。しかし、元気な、知恵のあ
る、条件に恵まれた、若い農業者だけを対象にした政策でいいのか
と、つい言ってしまいたくなります。私は、その点がちょっと気が
かりだったので、党本部のエレベーターで一緒になったとき、「今
は、どの農村へ行っても若い人が手を挙げてくれれば農地は50〜70
ヘクタールはすぐ集まります。しかし、それは逆に言うと、それだ
け地域が弱っているということです。それを念頭においてくださ
い」と話しました。

 一緒に頑張ります。


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