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山田としお メールマガジン399号
今、起こっていること、起ころうとしていること

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    ***山田としお メールマガジン No.399***


                     2017年11月17日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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    今、起こっていること、起ころうとしていること

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【都市農業関連法は、次期国会へ】

 総選挙を終え、多くの課題が出てきました。

 一つは、都市農業の生産緑地の農業継続の要件について、貸借を
行っても農業を継続することで相続税の納税猶予を継続できるとす
る法案を、今特別国会で実現すべく与野党問わず関係方面に働きか
けましたが、残念ながら、特別国会の日程が制約されており、また、
総選挙を終えての野党各党の体制整備が遅れたこともあって、調整
がつかず、次期通常国会に送らざるを得ませんでした。しかし、何
としても通常国会で法案を通すことを前提に、今年末の税制調査会
では、方向を決定していただくべく、全力をあげて働きかけること
としています。


【容易でない、卸売市場法の改正問題】

 二つは、卸売市場の改正問題であり、これは、これまでのメール
マガジンでも報告してきたとおりですが、改めて党の合同会議で、
各関係団体からの意見をいただくなど、論議を深めています。

 規制改革推進会議が、「卸売市場の受託拒否の禁止」の廃止等の
論議も行っていることについて、各地から激しい反発が出ており、
私は、この問題はもっと時間をかけて議論すべきであって、急ぐ必要
は無いと考えています。卸売り、仲卸間でも、第三者販売の是非に
ついても意見が出ていますし、米国のアマゾン等による市場を通さ
ない形での、情報通信による生産者・生産者団体と、消費者をつな
ぐ形での流通が、一つの企業で50%近くのシェアを占めるという実
態がある中で、もしかしたら、規制改革推進会議の中の発言委員等
は、こうした資本の参画を想定しているのかもしれないのです。

 議員連盟の卸売市場の検討の場に、京都大学においでになった新
山陽子先生が出席されて、「ルールの変更は、関係者の十分な議論、
合意によるべき」「手順としては、『問題提起し』→議論し→『方
向性を提起し』→議論し→『規制(規制緩和)の提案をし』→議論
し→『決定』の手続きだ」との提言がありました。全く賛成です。
というのは、まさに規制改革推進会議は、「問題提起」や「方向性
の議論」を吹き飛ばして、「規制(規制緩和)の提案」を行い、卸売
市場法の抜本的な見直しという形で、市場の大事な基本ルールであ
る「受託拒否の禁止」という原則を廃止するかのような議論から始
めていることが問題なのです。

 その議論を、農水省が、そのまま党にぶつけ、通常国会に、法改正
案を提案するという進め方をしたことが、大きな混乱を生んでいる
のだと思います。このことは、これまでの農協改革や酪農制度の見
直しとも同じやり方であり、生煮えの規制改革推進会議の提案をそ
のまま受けて、「改革」を強行する形になっていると見ざるを得な
いのです。

 現行の卸売市場の運営について、当初の諸運営ルールが時代の変
化の中で弾力化され、かつ、大きく変わっている部分もあるのだか
ら、まず、丁寧な「現状分析」と「問題提起」が必要なのだと思い
ます。

 改めて、議論の進め方を見直し、内容を詰めた上での「問題提起」、
そして「方向性の提起」から、議論をやり直すべきです。私は、この
ことをきちんと主張していくこととしたい。


【当面する最大の問題は、国が、来年からコメの生産数量目標を配分
しないこと】

 三つは、30年産米から、国が生産数量目標の配分を行わないことに
よる、30年以降の需給均衡化対策をどう取り組むか、という問題です。
JAグループは、JA関係者のみならず、卸団体等も含めた、全国協議会
をつくり、そこが着実な推進に取り組むことを主張しています。

 ところが、農水省は、その全国協議会の設置について、「行政に
よる生産数量配分に頼らずとも、生産者が中心になって需要に応じ
た生産を行う今般のコメ政策見直しの趣旨と矛盾しないこと」「関
係法令に違反しないこと」が前提となるとして、全国協議会設立に
後ろ向きです。党の総選挙での公約は、「関係者の主体的な取り組
みを促す全国的な推進組織の立ち上げを支援します」としているこ
とからしても、それにも背きかねない動きです。

 ましてや、食糧法は、第2条で「政府は、米穀の需給の均衡を図る
ための生産調整の円滑な推進を行う」「生産調整の円滑な推進に関
する施策を講ずるにあたっては、生産者の自主的な努力を支援す
る」としているのであって、国が推進協議会にきちんと参画して、
着実な需給の均衡を確保する取り組みは、米価水準の維持や農業者
の所得確保からして何としても必要な取り組みであるし、これまで
も、またこれからも、食糧法も想定していることです。法律は何ら
改正されていないのです。

 これらのことを考えると、国が、4年前、経済財政諮問会議で民
間議員が提起する形で「国による生産数量の目標の廃止」を決めた
のは、コメの自由な生産・流通・販売を通じて、米価は需給に従い
価格形成がなされ、コストの高い生産者はコメ作りをやめる、小規
模農業者がコメから撤退する、規模の大きい農家による低コスト生
産がすすみ、結果として米価の低下でコメの需要の拡大や輸出の拡
大が可能になる、まさに、こうしたことを政策の戦略として描いた
と考えざるを得ないのです。

 そして、このままで、もし豊作や、生産調整が崩れて過剰が生じ、
米価が低落しても、国は対策を講じない、という心配が出てきます。
まさに、生産調整は農業者自らの自覚や自主的な努力によるものだ、
国は手を出さない、という形が来年から進むということなのではな
いのか、という心配です。


【自由な生産、自由な流通、自由な販売が進むということ】

 改めて、過剰米が生じたときの対策として、米穀安定供給確保支
援機構による過剰分の隔離の仕組みをきちんと準備しておくことが
必要です。結局は、自由な生産、自由な販売、自由な流通、自由な
価格形成という事態が生じ、このことで、担い手農家が残り、小規
模農家は撤退する、競争力のある農家が残る、高コスト農業が克服
できる、という世界を誰かが描いているのではないのか、という心
配です。

 また、そう考えたとき、31年からスタートする収入保険は、前年
並みの収入を確保するので、こうした事態が生じても大丈夫だ、準
備している、と説明できるようにしているということなのかもしれ
ないのです。


【どういう政策選択が出来るのか】

 この点については、11月10日の産経新聞が、JA全中の「コメの
生産調整に全国組織」の見出しで、JAが心配するのは、「減反廃
止で主食用米の増産に踏み切る農家が出れば、結果的に過剰生産に
陥る懸念がある」ということだが、「農林水産省は、長期の栽培契
約で経営が安定する業務用米などへ転換するなど、農家が生産調整
に頼らず、自らの経営感覚を磨くことで、農業の成長産業化を目指
す」、一方、「全国組織による過度な生産調整が維持されれば、農
政改革の効果は薄れかねない」と論評していますが、的を得ていま
す。どう考え、どう政策を選択するか、大変難しい判断になります。

 今年の作柄と米価について、あるコメどころのJAでは、コメの
出荷最盛期になって、夏の長雨で収量が落ち込み、その情報で、一
気に卸が農家に買いに入り、中核農家が卸に売る動きが一挙に拡大
し、JAに集まっていないといいます。

 私達は、こういう世界で、自由な生産・流通・販売の動きが与え
る動きをどう見て、どう対処するかが問われるのだと思います。覚
悟して取り組みましょう。

 こうした動きや狙いをしっかりとふまえ、我々の取り組みの方向
をしっかり決めていかなければなりません。頑張りましょう。


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