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山田としお メールマガジン226号
二重債務問題について

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    ***山田としお メールマガジン No.226***  
 
     
           2011年6月20日発行
 
         山田としお公式ホームページ
       (http://www.yamada-toshio.jp/)

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               二重債務問題について
 
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【強い要望である被災農地の国による買い上げ】

 大震災の中で、農林水産業者における二重債務問題が喫緊の課題
になっています。

 被災農家の皆さんからすると、水に浸かり、ガレキが一杯で、い
つ耕作できるかわかりませんし、先の見通しが立ちません。一方で、
失ったハウスや農機の借金は残っています。今は支払いが猶予され
ていますが、間もなく期限が来る、どうしようという不安です。そ
れだったら、被災した農地を国が買い上げてくれればいいという声
が上がってきています。

 そのことを震災復興特別委員会で質問させてもらいましたが、鹿
野農水大臣の答弁は、農地の買い上げは法改正が必要であり、その
買い入れ価格も時価であり、それ以外の価格にするならこれも法改
正が必要というものでした。もっとも、松本防災担当大臣は、被災
前の価格で買い上げるべきだと答弁されていました。当日休憩時に、
わざわざ私の席に来ていただき同様のことをおっしゃっていました
が、翌日院内の廊下で確認したら、「水に浸かった水田に時価はつ
かないし、被災農家に希望がない、復興をはかるためにも、被災前
の価格で買い上げるべきだ」とおっしゃっていました。まさに、こ
れが政治的判断というものです。鹿野大臣が言うように、法改正が
必要なら、それを早急に行おうではありませんか。

【自民党は新しい機構による買い取りを提案】

 この二重債務問題は、すでに自民党では第三次提言で、新しい機
構を作り横断的に被災者の既存債務を買い取る法案を提案していま
す。また、被災した地域の銀行や信金・信組からもそうした声が上
がっています。

 一方、民主党は、中小企業基盤整備機構や県・金融機関等による
出資により中小企業再生ファンドを創設し、事業再生の可能性があ
る中小企業に対して、出資や債権買取を行うとしていますが、経済
産業省による中小企業政策の枠内での対応となっており、農林漁業
などの個人事業者が対象となっていません。
また、農地の買い上げを行うことまでは考えておらず、農林水産業
の債務は、既存の融資制度を活用し、日本政策金融公庫による新規
資金(18年間無利子貸付、3〜6年の元本返済の据え置き)と一体で
の利子負担の軽減を行うとしているだけです。

 民主党は、返済困難者については、銀行等が、それぞれの債務者
や企業の経営動向を踏まえ、利子負担の軽減や債務免除等を行う、
そのために必要な個人向け私的整理ガイドラインを定める、それを
実施する銀行等への資本注入や税制措置を講ずるとしています。こ
れでは、金融機関の体力や判断で、対策を講ずる、講じないという
ことになります。金融機関として、経営に厚みがあり、収益が見込
める者には猶予するが、見込めないものは損切りをして撤退すると
いう選択になる懸念があり、もう一度事業再建を行おうとしても、
できなくなってしまう恐れがあります。

 ところで、JA等協同組織金融機関は、地域を定めた協同組織と
して組合員の出資で成り立っており、組合員の選別を行うことが難
しいのです。この農家には減免する、この農家には返済してもらう、
というのはなかなか出来ません。組合員平等の扱いを原則にしてお
り、これら組合員の出資による運営を基本とする協働組織の特性か
らして差別をつけられません。過去の負債整理でも農業から撤退し
てもらわざるを得ない農家にも自宅は残す、なんとか村でも生活し
てゆけるぎりぎりの形は整える、それがJAの事業の仕方です。ま
して、今回は津波の被害ですべてを失ってしまったのですから、同
情されてしかるべきです。頑張ればまたやって行ける、頑張ろうじ
ゃないか、というのがJAの事業論理ですし組織です。

 そのためには、こうした農業者への対策を行う旧債権や農地の買
取機構の設置や、一定の損失を出しても組合員対策を講ずるJAへ
の支援対策を講ずることが必要で、この機構に対しては、大震災に
よる被害対策と復興対策であることを踏まえた国や県の支援が不可
欠です。

【三党実務者会合のメンバーとしての議論に参加】

 民主党・自民党・公明党の三党は、これら二重債務問題を協議す
る実務者会合を各党3人の固定メンバーで設置しています。私も、
農林水産業の立場で加えられました。これまで2回の会合を行い、
旧債務にかかわる利子負担の軽減、リース債務の支援策、個人向け
私的整理ガイドラインによる簡易な債務整理の促進策等をまとめた
「三党一次合意事項」をまとめましたが、次回は、残された検討課
題の第一に掲げた、新たな公的な「機構」の設立による既存債権を
買い取るスキームの是非を議論することとしています。

 民主党は、どうも、毎年何らかの形で生じている災害の被害と、
今回の大震災を区別して、今回について特別な対策を講ずることは
公平性に疑問があるとの姿勢を崩しておらず、新たな買取機構の設
立についても、また農地の買い取りについても疑問を呈しています。
それは与党として役所の意向を反映しているのかもしれないのです
が、次の様な論点があると言っています。

・ 国による農地の買い取りのためには法律改正が必要なこと。

・ その場合の買い取り価格は時価が原則であり、水に浸かった農
 地は価格がつかないこと。

・ 農地が今後どんな利用区分で扱われるか不明であり、宅地にな
 るか道路になるかにより評価に違いが生ずるため、農家にとって
 も農地として買い取ってもらうことに迷うことが考えられること。

・ 債務解消のために売った農家と売らなかった農家が出るためバ
 ラバラの扱いになり一体としての農地利用にも混乱を与えかねな
 いこと。

・ 農地だけでなく市街地等における商業地の土地の買い取り問題
 も生ずること。

・ このため、この問題の扱いには時間がかかること。

・ これらの家や土地の扱いは復興構想会議等の動向を踏まえない
 と整理できないこと。

 このため、二重債務の問題と農地や土地の問題は切り離して整理
せざるを得ないという考えです。

【農地の扱い抜きでは解決できない農業者の二重債務問題】

 しかし、これでは農業者の二重債務問題は農地という一番大事な
問題を除外したまま放置されかねません。より長期の返済猶予と、
さらに長期の元本返済で、経営再建と合わせて債務を解消していく
ということでいいのかどうか。意欲ある農家も、再建のめどがつか
ないまま、将来への不安で農業を止めるということになるのではな
いのか。これでは復興につながりません。農業者が委縮し離農する
前に、ともかく新しい機構を設置し、早急に救済の仕組みをつくり
あげてゆかねばなりません。
 
 なお、原発事故でさらなる国難を抱えた福島県内の避難地域の農
地の扱いは、原発の収束、帰郷も含めて今は見通しがつきません。
まさに国による買い上げも含めて対策が講じられなければなりませ
ん。



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