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山田としお メールマガジン261号
北京と青島を訪問

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       ***山田としお メールマガジン No.261***


                     2012年5月7日発行

                山田としお公式ホームページ
             (http://www.yamada-toshio.jp/)
 
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                  北京と青島を訪問
 
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【野田総理・オバマ大統領の首脳会談】

 5月1日の野田総理とオバマ大統領の首脳会談は、あくまで報道の
ベースですが、野田総理の方からはTPP交渉参加を言い出さず、オ
バマ大統領からは自国の産業界から強い要求がある自動車・保険・
牛肉について「国内の関心が高い」ことを言い、総理は「これまで
表明して来た自分の考えは変わらない、引き続き協議を前進させて
いきたい」と述べたやに報道されています。私は最後まで、総理の
方から交渉参加を言い出すのでないかと懸念していたのですが、そ
れはさすがなかったようです。

 もちろん詳細は分かりません。

 しかし、「これまで表明して来た通りだ」と言うとことになると、
昨年11月のAPEC総会で表明した「すべての物品とサービスを交渉の
テーブルに載せる」というホワイトハウスのホームページ通りとい
うことなので、危険は一切変わっていません。

 ただ国内のマスコミは、一様に、TPP参加の決断を急げと焦って
報道しています。とりわけ、同時期に中国と韓国のFTA交渉の開始
が決まったこともあって、これを大々的に報道し、日本が取り残さ
れると騒ぎ立てています。一体マスコミはどこを向いているのでし
ょうか。

 太平洋を挟んで米中がアジアの成長を取り込む戦略で駆け引きし、
クリントン国務長官も同時期に訪中している時に、日本はどちらを
向いて何をすべきだと言うのでしょうか。農産物等の関税をすべて
撤廃し、米国の言うがまま投資もサービスも自由にして、返す刀で
中国とも農産物等をすべて自由化し、ないしは、中国には日本側と
しては投資やサ−ビスの徹底した自由化を求め、貿易の促進と経済
の成長を実現しようと言うのでしょうか。

 一体経済界やマスコミは、どんな国をつくろうと言うのでしょう
か。一体どこへ向かおうとしているのでしょうか。国際企業となっ
ている大企業を中心に経済界が貿易や投資で稼ぎ、それが国民の雇
用や所得の向上につながればいいということなのでしょうか。日本
の国土での食料の安定供給やそれに従事する国民の生活や地域をど
うするのか、全く絵を描いていません。マスコミは、韓国は米国と
FTAを結び、さらに中国ともFTAを結ぼうとしていることをとらえて、
「日本が負ける、追い越される」と声高に言いますが、GDPの60%
を貿易に依存する韓国は、もはや農業を存立させることよりも商業
国家として生き残ろうとしているのであって、わが国日本も、それ
を良しとするのかということです。


【北京では、農業農村政策の責任者と意見交換】

 こうした状況下で、連休後半の3〜6日に北京と青島を訪ねること
にしました。この間日程が入らなかったことと、JA全中にいた時
から親交があり、今や中国の農業農村政策立案の責任者である陳錫
文さん、国務院発展研究センターの徐小青さんらにお会いし、現下
の情勢をどう受け止めているのか意見交換するためです。3日に両
氏にお会いし、4日は北京近郊の野菜産地、5〜6日は中国最大の野
菜産地として日本への輸出も一番多い山東省の青島を訪ねました。

 陳さんは、温家宝首相が組長を務める農村工作領導小組の副組長
を務める大臣級の方で、温家宝首相の片腕の立場においでですが、
中国13億人の食料の安定生産と、輸入・備蓄による供給確保が一番
の関心事であるとおっしゃっていました。広大な中国における農業
生産と、それに従事する7〜8億人ともいわれる農民の所得の向上を
どう図るかに腐心されていました。

 TPPについては、新大陸の米国や豪州とは農業の形が違う、とう
てい関税撤廃で立ち向かうことはできない、アジアの特性を生かし
たお互いの発展がある、商業や工業や金融と一緒に出来ないという
考え方であり、全く同感です。

 農民の所得の向上のために、日本の農協から学びたいともおっし
ゃっていたし、農地の集約化をどう進めるか、市街地の拡大で農地
の転用が増えていることについても、日本の政策を学びたいともお
っしゃっていました。私は、高度経済成長で農地の転用を拡大し、
農地の価格が高騰し、資産保有を生じてしまった日本の失敗と反省
こそ学んでほしいと申し上げました。

 確かに、北京近郊の農村も延々と続く高速道路のずっと先まで高
層のマンション群が続き、さらに建設ラッシュにあることを車窓か
ら見ました。高度経済成長と農村部への都市の侵略をどう整序する
か、といって高度経済成長は止められない、止めたら13億の国民と
広大な国家が破たんする。そうさせないために走り続けざるを得な
い。一党独裁といえども、その経済・社会・政治のかじ取りたるや
大変なことでしょう。日本の政治・経済とは同じに出来ませんが、
「大変なことなんだろう」と、私も一介の政治家として考えるとこ
ろがありました。

 北京から50km離れた北京近郊の農業生産を見せてもらいました。
試験研究機関のイチゴハウスはオランダからの近代的なもので、と
ちおとめや紅ほっぺ等の大粒のイチゴが栽培されていました。近辺
に延々と続くハウスは、イチゴや野菜栽培です。しかし、そこにも
高層マンション群が建設されていました。


【農外企業の農業進出を良しとする中国】

 青島では、青島農業大学と、日本では北海道でしか見られない広
大な麦や野菜の圃場の中で、農薬や肥料の分析とハウス等によるト
マトの栽培、そして日本の商社等が介在したアスパラの契約栽培を
行っている農場を見学しました。中国国内の需要が高まっており価
格も上がっていること、農業者の最低賃金(1日80元≒1200円)が
上がっていること等によるコストアップで、日本向けの契約栽培よ
りも国内仕向けが増えているといいます。一方、余裕資金を持って
いる国内企業や、韓国・日本・台湾の企業等が、役所と農業者との
3者協議を行ったうえで企業による農地の借地移転が増えており、
結果として農地を手放した高齢者等が雇用される形での農外企業の
進出が増えているといいます。

 また、高齢農業者は新たな農業生産への投資意欲を失っており、
都市部や国外への加工販売や、必要な資金や技術も機械化もままな
らない中で、農外企業の投資等による参入を良いこととして受けと
めていることは、私にとって驚きでした。日本は、農協という組合
員農家の協同による加工販売の仕組みがあり、今のところは、その
技術と組織が農家の生産販売を一定程度支えていますが、ところが、
中国は1980年代に人民公社の仕組みが解体され、それに代わる日本
の農協とよく似た供銷合作社の仕組みが必ずしも定着していないな
かで、一気に農外資本が農業に参入する形になっているらしいので
す。

 日本も、農業の6次産業化が喧伝され、マスコミや経済界等がこ
れ幸いに農外企業の農業参入を期待する状況は、農業者や地域にと
り本当に望ましいものなのかどうか、深く考えさせられました。

 青島市内も郊外も高層ビルが林立し、東京都心とまるで変わりま
せん。これらの都市が、全国に何十、何百あるような中国が経済的
に政治的にどこに向かうのか、そして日本はどうするのか、このこ
とも深く考えさせられました。



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