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山田としお メールマガジン271号
口蹄疫、終息宣言2年の宮崎を訪ねる

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       ***山田としお メールマガジン No.271***


                    2012年8月27日発行

               山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)
 
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       口蹄疫、終息宣言2年の宮崎を訪ねる
 
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【概要】
 口蹄疫が発症してから2年4カ月。終息して2年になります。その
宮崎を訪ねました。

 発症前の6割に戻ったということですが、この間、大変な苦労が
あったことでしょう。加えて、飼料高騰やTPP問題で将来に不安を
感じながら、埋却地の活用など、新たな課題を抱えています。

 そしてまた、畜産・野菜・お茶等、2次・3次産業が多く進出して
いるのも宮崎県です。地域に根差さない企業の進出により、その経
営破たんの後始末のために塗炭の苦しみを負ったJAの苦労もお聞
きしました。

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【江藤先生の国政報告会に出席】

 2010年4月20日、党の農林部会の席で、江藤拓先生から口蹄疫の
疑いのある牛が出たという話があり、騒然となったことを今でも覚
えています。その後、連休前に党としての申し入れを行っておこう
ということで、農水省に幹部打ち揃って出掛けましたが、当番の政
務官しか在籍しておらず、大臣は外遊中ということで危機感が全く
なく、このことが後々大変な混乱と病気のまん延を生むこととなり
ました。

 当時私は、5月に入り、ともかく一度現地を訪ねようと宮崎市ま
で行きましたが、防疫・消毒でてんやわんやの現地には入れず、J
Aと県庁の対策本部を訪ねたままで終わっていました。その後、東
日本の地震と津波、原発事故が発生し、宮崎を訪ねられないままで
いました。

 そうしたなか、今年の6月16日に、宮崎市で農民連盟の代議員総
会を開くということで、森永会長から、その場でTPP対策も含めて
国政報告の機会をいただきましたが、農林水産委員会の日程が入り
質疑を行うことになったので、どうしても行けませんでした。本当
に申し訳ないことをしていました。そのことがずっと気になってい
たところ、江藤先生から高鍋で国政報告会を行うとの話を聞き、お
邪魔させていただくことにしました。もっとも当日は、神戸市で兵
庫県議会の勉強会で地元選出の末松参議院議員と一緒にTPPのこと
を話すことになっていたので、終わってから大阪空港へ駆け込み、
宮崎、そして高鍋まで綱渡りして会場へ飛び込みました。

 江藤先生の国政報告は、地元の農林漁業の課題はもとより尖閣諸
島、竹島問題など多岐にわたり、日本を憂う胸を打つ内容であり、
衆議院の小選挙区で戦う議員の熱情を感じさせていただきました。


【発症前までの復興は6割】

 翌日は、2日後の8月27日が口蹄疫終息宣言2年目の記念日という
中で、牛・豚3万頭にも及ぶ殺処分を行った高鍋町の慰霊碑に献花
し、周囲の広大な埋却地の状況と、この2年で何とか復興を果たし
てきた酪農と肉用牛農家を訪ね、その苦労と課題を聞かせていただ
きました。

 宮崎県全体では、この2年間で6割程度の復興だといいます。高齢
者は改めての投資と、TPPなど将来への不安から、止める農家が多
くなっています。地元の子牛セリ市場も、発症前年の1万4000頭の
取引が今9000頭であり、これも6割です。ただし、この地の被災農
家から長崎全共の県代表が誕生し、ようやく明るい希望も出てきて
いるといいます。

 また、北海道から搾乳牛を導入した酪農家は、搾乳・種付け・子
取りの循環のバランスがうまくゆかず苦労しているとおっしゃって
います。新規就農者も雇用されていますが、経営を引き継ぐ家族内
の後継者の対策が不十分であり、スーパーL資金の借り入れによる
無利子期間終了後に、金利と償還が一緒に来る負担に苦しんでおい
ででした。

 肉用牛農家は、今は草が生い茂り、一部で陥没もしている埋却地
が3年間侵入が禁止されていましたが、あと1年で還ってくるので、
牧草地として活用したいが、客土の必要性や地下水のことを懸念さ
れていました。また、地域内では口蹄疫感染の患畜農家とワクチン
接種後の殺処分農家との感情問題や、埋却地を選ぶ際の隣家との確
執など、ようやく落ち着いてきており、今後地域の共同の取り組み
を進めてゆきたいと話されていました。外からはうかがい知れない
ご苦労があったのでしょう。


【地域に根差した6次化産業をつくるべき】

 ところで、安愚楽の立派な牧場を2か所通りすがりに見ることが
出来ました。今は2牧場とも県外の他の業者の手に渡り経営再開さ
れています。県外の、それも投資を目的とした経営だったわけです
が、この間、耕作放棄を繰り返したり、地域となじまないなどの問
題があったといいます。地元のJAとも飼料の扱い等で確執があっ
たようです。

 わざわざ時間を取っていただいた組合長さん達との意見交換の機
会もいただきましたが、地元のJAから飼料等を入れている場合も
いろいろあって、JAがあくまで貯金の範囲内で飼料代の貸越の手
続きを取っていたJAは、安愚楽の計画的とも見える破たんの中で、
かろうじて飼料代金を確保できたが、複雑な契約や預託農家との関
係から貯金担保を確保できていなかったJAは、JAの経営継続が
問われるようなものすごい苦労をしたといいます。地域に根差さな
い経営体の怖さを思い知らされたとおっしゃっていました。

 また、会社等と加工流通販売で契約した畜産や野菜農家の例では、
企業は、最後は自分の利益の確保を優先し、損が出ないところで撤
退します。結局は、企業の撤退の後の農家の損失を、JAが見てい
ると言います。JAが、信用と共済事業の利益に依存し、経済事業
に乗り出していないという批判がありますが、何とか農家が住居だ
けを残して生活できるよう後始末をしているのはJAだといいます。
もちろん、信用・共済事業をやっているからこそ、それが出来る。
分離分割すべきだと言っているのは、野田総理が議長をしている国
家戦略会議のフロンティア分科会報告ですが、強い農業をつくるた
めという言葉の裏にあるのは、弱い農家はつぶす、企業に農地を取
得させる、競争の論理で自由に好き放題にやらせるということなの
でしょうか。それでつくられる地域はどんな社会なんでしょうか。
どんな日本なんでしょうか。

 6次化ファンド法案の審議を明日の農林水産委員会で行いますが、
江藤先生や私が、党の農林部会の幹部会を18回にもわたり開催して
議論した問題の根源がここにあります。地域の農業者の立場を大前
提にして大幅修正を行いましたが、さらに今後の運用を注意深く進
めなければなりません。

 力強い農業をつくる、そのために加工・流通・販売の分野とも連
携する、それは必要です。しかし、その基本は、地域の農業者と地
域を元気にすることでなければなりません。改めて勉強させていた
だきました。

 ところで、宮崎のJAの皆さんは、来週も被災地の福島や宮城に
ボランティアに出かけると聞きました。口蹄疫の時に応援してもら
った。それがどんなに励みになったか。今度は自分達だといいます。
協同組合の絆に感動しました。


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