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山田としお メールマガジン395号
九州北部地域の豪雨災害で質疑、あわせて、日経調報告「日本農業の20年後を問う」に、どう対抗するか

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    ***山田としお メールマガジン No.395***


                     2017年8月16日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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     九州北部地域の豪雨災害で質疑、あわせて、
 日経調報告「日本農業の20年後を問う」に、どう対抗するか

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【繰り返し生ずる特定地域の集中豪雨】

 8月10日に九州北部豪雨に関する災害対策特別委員会で質疑しま
した。7月上旬の豪雨で大きな被害を被り、国会は閉会しています
が、早急に、被害の状況を委員会として視察すべく計画しましたが、
被害があまりにも大きすぎて、とうてい受け入れの準備が取れない
ということもあり、7月31日に現地を訪ねました。

 ニュ−スで見ていたとはいえ福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田
市の被災はすごかった。ともかく、大鬼が山を爪でひっかいたよう
な形で崩れ、流木と土石流が谷々と家々と田畑を暴れ下ったという
ことです。この状態は、5年前に、阿蘇の外輪山で発生した状態と
全く同じで、当時は、阿蘇と、今回被害にあった朝倉市に隣接する
八女市で大きな被害がありました。私は農林部会長として視察して
いたのですが、阿蘇地域では、戦後20年ごとに同様の山津波災害が
発生しており、その際の新聞各紙の一面の写真と記事は20年ごとに
全く同じものを使ったのじゃないのかと思われるものでした。


【復旧だけでは解決できず】

 現地での疲れ切った関係者の悲痛な声は、背後の荒廃に加え、な
んとも言えない惨状でしたが、委員会質疑は、持ち時間が25分しか
ないこともあって、被災者の悲鳴に応えるべく、被災者の声を直接
届けることにしました。

 一つは、こうも連年、同じような形で豪雨が襲来するのは、地球
温暖化が原因ではないのか、そのことをしかるべき機関できっちり
研究し対策に取り組んでいるのかどうか。

 二つは、被災者の悲鳴に応えるべく激甚災害の指定を急いでいる
のかどうか、なぜ1カ月もかかるのか、早く指定して復旧に向けた
意欲がわくようにすること。

 三つは、早急に手当てすべき稲作や果樹等への水を供給する用水
の復旧について、査定前着工を急ぐこと。

 四つは、村を壊す形で襲った災害については、単なる復旧ではな
く、集落全体が移転する形での計画の立案を九州大学に頼むことと
しているが、このことを災害対策の一環として組み込むこと。

 五つは、土石流を防ぐ砂防ダム等の治山対策と、根の浅い林材の
植林、間伐、不適切な場所への植林の停止等の林業対策の実施。
 
 六つは、ハウスの倒壊やハウス内に土砂が入り圃場の形を全く変
えている園芸や果樹の復興については、4年前の北関東の雪害で講
じた経営体育成支援事業を今回の被災にも講ずること。

 七つは、合併市町村の合併特例債の期限の延長や、水田や道路や
河川について単なる原形復旧にとどめない対策を講ずること。

 党の災害対策PTも、東北秋田の豪雨被害をはじめとする被害対
策をまとめていたこともあり、政府の対応は迅速だったと思います。
私の質問についても、すべて前向きの回答を得ました。

 まさに、災害列島日本ですが、連続する災害の原因究明と抜本的
な復興と国づくり、生産と生活づくりがなされなければなりません。


【日経調の報告の危険性 ―我々は、どう対抗できるのか】

 日本経済調査協議会が「日本農業の20年後を問う」と題する報告
書をまとめました。経済界の後押しを受け、元農林水産事務次官が
委員長、元東大教授であり規制改革会議等の常連メンバーだった農
業経済学者が主査、金融機関の研究所等の経済人、ジャーナリスト、
大規模食品店舗運営の代表者、農産加工や輸出も行う卸売事業者、
大規模農業生産法人の代表等が委員を務めていました。

 20年後の日本農業の将来像を描くというものですが、読んで驚き
ました。まさに、日本の農業・農村の否定、農地法等日本の農業を
作り上げてきた制度の否定、株式会社礼賛、農産物の市場開放を前
提、市場原理の導入、農協の役割の否定等を内容とするものでした。
もちろん、委員には農協代表はいません。しかし、委員の農業者か
らは、いくつか真摯な議論がなされていることは読み取ることが出
来ました。そうした方の名誉のためにも触れておきます。
 このことに、我々は、どう対抗するか。

 私は、丁寧に全部読んで、ポイントを抜き書きしました。長いの
で報告の「8つの提言の柱」と、私の「報告を読んだうえでの私の
印象」を以下に盛り込みましたが、私の「ややもすると独りよがり
かもしれない」抜き書きが必要な方はメール下さい。お送りします。


【8つの提言の柱】

提言1.フロンティアを支援する農業政策

・コメの減反政策を廃止して、自由なコメ作り
・農地を経営資源・生産要素とする農地制度の確立
・農地集約のために税制の活用を

提言2.国内流通制度の抜本的改革

・フードバリューチェーンの構築は流通改革から
・農産物物流センターの設置と全国ネットワーク化
・野菜カット工程の大規模組織化とその拠点形成

提言3.食品産業および他産業との一体化した連携

・マーケットインがフードバリューチェーンの基本
・食品業界のコラボによるフードバレーの創造
・IT産業等との連携で、新たな農業の創造を

提言4.海外市場での積極的なビジネス展開

・日本の農産物に対する海外マーケティングを強化せよ
・輸出には国際認証規格の取得が不可欠
・基本的輸出戦略は「オールジャパン」で

提言5.農業食料高等教育の改革

・「農学栄えて農業滅ぶ」を廃し、農学部を改革する
・実践的かつ地域に貢献する農業教育を
・農業版ビジネススクールで、食と農の人材育成

提言6.農の魅力をサービス産業に活かす

・サービス産業として、農業の魅力を考える
・テーマパークになりうる中山間地農業
・都市と農村の心理的距離を縮める交流を

提言7.関税に依存しない農業の確立

・グローバルな経済に適応する農業は、関税なしで生き残る
・輸出拡大のために必要な国境保護措置の撤廃
・ゼロ関税実現のために、今、すべき農業改革を急げ

総括:食料産業の構築に向けた国家の役割

・フードバリューチェーンは食と農をトータルで考える
・農業政策は社会政策を切り離し、産業政策に徹する
・食料安全保障は総合的国家安全保障の中に組み入れる

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【報告を読んだうえでの私の印象】

〇全体の論調として

・農地の経営的利用を徹底して進める、そのため農地法を抜本的に
見直す
・他産業・異分野の農業参入を促進する、そのため農業の企業化を
進める
・転用期待を排除する、そのため利用されない農地の課税を強化す
る
・徹底して担い手を作り上げる、そのため会社の参入を徹底して進
める
・農業団体を再編する、そのため競争原理を導入し経営マインドを
強化する
・外国人労働者の受け入れを促進する、そのため出入国管理を緩め
る


〇こうした政策展開は、何をもたらすのか

・多様な家族農業と条件不利地域も含め、これまで守ってきていた
農村地域や社会を壊すことになる
・徹底した競争と市場原理が横行しかねず、一体、日本の農村地域
はどんな地域社会になるのか
・株式会社の農業参入は、いつでも撤退し、農村地域の荒廃を生む
・同時に外国資本が流入し、日本の社会は安定を失い、荒廃する
・農協は存在を失うことになる


〇 こうした事態は想定されなくはないのであるが、しかし、容認
できない、とすると、改めて求められる政策は、次の点である

・農業の特性を踏まえた経営づくり、すなわち、家族農業、集落営
農の形を生かす政策が必要
・必要な経営安定、経営相続、社会保障の充実、すなわち、地域と
日本を守る、農業を守る、地域主義の理念が必要
・農業への就業対策の強化、すなわち、農業や地域を守る国民的な
理念と合意が必要
・国土と生活の基本をなす農地を守る、すなわち、農業という生業
と、美しい国土と、日本を誇りにし、それを守る思想が必要

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