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山田としお メールマガジン198号
この国はどこに向かうのか

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       ***山田としお メールマガジン No.198***   
   
                 2010年9月28日発行

        山田としお公式ホームページ
      (http://www.yamada-toshio.jp/)

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               この国はどこに向かうのか

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1.初めての議員派遣

 9月16日から23日まで、国会(参議院)の議員派遣でインドとイ
ンドネシア訪問の機会を得ました。議員生活4年目にして初めての
ことでした。

 参議院では年に4チームを重要事項調査団として海外に派遣して
います。今回の調査団は、米国は司法制度、ヨ−ロッパは消費者問
題、アジアは地球の気候変動・温暖化・エネルギー問題に関する調
査であり、私にはアジア視察が回ってきました。調査団は、民主党
3人、自民党2人の構成です。

 両国ともに、JA全中時代に「協力のためのアジア農業者グルー
プ(AFGC)」をアジアの9カ国で組織し、WTOやEPA等の取り組みで
共同していたので、6〜9年前に訪問したこともあります。

  ところが今回、あまりの変貌ぶりに驚かされました。ニューデ
リーでは、当時は空港周辺でも牛が歩くなど乱雑極まりなかったの
ですが、ものすごくきれいになっていました。ジャカルタも、当時
泊まったホテルの隣のホテルに泊まりましたが、ホテル裏にあった
スラム街はすっかり消えて高層ビルになっていました。

2.インド〜新しい建設と喧騒が同居〜

 インドでは、首都のニューデリーは緑が一杯で、どの国にも負け
ていません。ところが隣のデリーの旧市街地に、日本の援助で建設
した地下鉄に乗って出かけ、駅から一歩出て驚きました。

  ものすごい人だかりと車や二輪や荷車や屋台や商店で、それが八
方に延々と続いています。車のクラクションと埃と食べ物の匂いと
ゴミもすごい。足の踏み場もありません。車でいっぱいのデコボコ
の道路わきには、コモをかむって動かない人たちが寝そべっていま
す。生きているのかと気になるが誰も関心を持っているようには見
えません。

3.10億人の食料を確保

 ニューデリーのホテルは、これも多分どの国にも負けない最上施
設でしたが、水道の水は飲めないということで、ペットボトルの水
で歯磨きやうがいもしたし、生野菜もカットされたスイカやパイナ
ップル等の果物も食べないほうがいいとのことでした。

  朝食のバイキングは、魚が全くなく、肉類もソーセージがちょっ
とあるくらいで、あとは豆類とナン等の小麦粉製品と各種のカレー
が中心でした。それでも、野菜と豆の辛いスープはおいしかった。

  インドのラメシュ環境・森林大臣にお会いした時に私の方から、
「肉類を食べないのは、米国とオーストラリアに依存しないため
か」と話題を持ち出したところ、大臣は我が意を得たりという様子
で、「今の自給率はほぼ100%あるが、2040年には世界で一番の人
口を抱えるインドでは、食料の安全保障の確保のための一番は、牛
を食べないことだ。牛を食べるから森林破壊にもなる。我が国は、
毎年1千万人ずつ人口が増えている。必要な食料を確保するために
コメ・麦・豆等の穀物の生産を強化している。たんぱく質は肉から
でなく豆からとる。外国に依存しないことをやらねばならない。日
本がコメを保護しているようにインドも農業を保護したい。2億2千
万の家族農家を大事にしていく」と笑顔で答えていただきました。

  また大臣は、日本の高齢化と人口減少と、その一方でのインドと
のEPA締結合意にある看護師や介護師等の問題に我が国が消極的で
あることも良くご存知のうえで、「日本からは慈善事業ではなくて
パートナーシップとして工業技術や環境技術を提供してほしい。人
口を増やす技術はインドから提供できる。必要なら100万人送りま
すよ」と真顔で冗談をおっしゃっていました。

 早くからインドへ進出している、スズキ自動車の工場も視察させ
ていただいたし、私の縁で、インド協同組合中央会のヤダフ会長は
じめ役員の皆さんにもお会いすることができました。ヤダフ会長の
「インドの協同組合運動は農村のリーダーを作ることであり、その
ことがインドの独立運動とも関連した運動であり、ネ−ル首相等の
独立運動のリーダーをつくりあげた」という話には、同行の議員も
感銘を受けていた様子でした。

4.何で食べているのか

 インドでは農村を訪ねることはできませんでしたが、ニューデ
リーからバスで片道4時間のアグラ城とその王の后の墓であるター
ジマハルに出かけました。ガンジス河の支流がとうとう流れて城と
墓をつないでいます。きれいでした。その途中の村や町には水田や
畑が広がっています。水田は長粒種の稲が穂をつけていて間もなく
収穫を迎えるのでしょう。何も植わっていない空地も多く牛が草を
食んでいます。途中で豪雨があり、道も田んぼも煉瓦造りの村々の
家も水があふれていました。

  雨が上がった帰り途、バザールの開かれた町は、これも人と車と
牛であふれかえっていました。道路は水浸しのままでしたが、熱気
いっぱいでかまうものかという感じでした。すごい国だし、人々だ
し、その生活です。

 帰路、サトウキビを満載したトラックが走っていました。それで
わかりました。田んぼのあちこちに、葦が生えているのか、何も植
えずに放棄したままなのかと心配していたのはサトウキビだったの
です。もう少しで、どこかのえらい人が沖縄の空港に降りて、「沖
縄はススキばかりだ」とおっしゃった過ちを私もやりかねないとこ
ろでした。

 ところであまりの貧困な情景に、同行の議員が「この人たちは何
で食べているんだろう」と心配していましたが、私も同じ感慨にふ
けっていました。ちょうどその時、バスの窓から、むらの小路を自
転車の荷台にサトウキビの束をくくって運んでいる男性が見えまし
た。多分、その農家は自分の畑からサトウキビを刈って村のバザー
ルか、加工業者に売りに出るところなのでしょう。そこでわずかの
代金をもらって、家族がその夜の食にありつけるのかもしれません。
そういう生活なのだろう。もちろん、きちんと収穫し、出荷する仕
組みは別途あるのかもしれませんが。

5.インドネシア〜日本とは緊密な関係〜

 インドネシアでは、日本の援助で建設している重油からガスへの
転換による火力発電所の炭酸ガス排出削減の再開発事業、我が国へ
のマグロやエビ等の輸出を担っているジャカルタ漁港の整備事業、
熱帯の生物資源を多く抱えるインドネシアだからこそ可能な生物学
研究センター等を訪ねました。

  AFGCの有力なメンバーであるインドネシア農業者組織協議会のイ
ワントノ会長にも議員全員でお会いし、インドネシアにおける農業
の役割と重要性について意見交換できました。

  ジャカルタ漁港は、戦後賠償とも関連して建設開始時から我が国
が深くかかわってきたものだそうですが、日本漁船の寄港、そして
魚の加工とそのための4万人にのぼる雇用、日本への輸出で大きな
役割を担っていることを実感しました。

6.翻って、日本の政治は何をするのか

 それにしても、今回の両国訪問で強烈に受けたのは、この両国に
はまだまだやることが一杯あるということです。

  多くの国民を食べさせること。仕事をしてもらうこと。ゴミだら
けでデコボコの道路を整備すること。バスも車もデコボコなのだ。
国をつぶさずに成長を続けることが何としても必要なのだ。経済も
政治もやることが一杯あるのだ。

 そう考えながら、私の頭の中は、「日本の政治のやることは何な
のだろうか」という反すうの連続でした。近年は低迷しているが一
層の経済成長なのか、学校を卒業しても職が見つけられないという
雇用対策なのか、人口減少が確実なわが国の出生率の向上対策なの
か、高齢者の年金や介護や福祉なのか、アジアの国々との貿易や人
の行き来や企業進出等一層の国際化なのか、安全な食料の国内生産
と農山漁村の安定なのか、豊かな環境の維持や温暖化への貢献なの
か、多分この全てなのでしょう。

 ともかく、両国の抱える問題の緊急さとは異なる形ではあります
が、一歩先に進みながら新しい国のあり方を創り上げてゆかねばな
らないのです。


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