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山田としお メールマガジン231号
戸別所得補償制度と先物取引上場で論戦

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      ***山田としお メールマガジン No.231***  
 
   
                   2011年8月8日発行

               山田としお公式ホームページ
        (http://www.yamada-toshio.jp/)

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            戸別所得補償制度と先物取引上場で論戦

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 8月4日には農林水産委員会、翌5日には決算委員会と、連続で質
問に立ちました。ここ数カ月国会の各委員会とも災害対策、原発、
総理の政治資金問題が中心の国会になっている中で、私も二重負債
の解消問題や原発による農林水産物の汚染とその損害賠償問題を質
疑してきましたが、どうしても戸別所得補償制度の今後の行方、コ
メの先物取引上場問題について一度きちんと質疑しておきたいと思
っていました。

 農林水産委員会は、ちょうど私に順番が回ってきたのと、赤字国
債発行の特例公債法案の扱いと関連して子ども手当等、いわゆる4
Kのマニフェスト見直し問題が浮上し、民主党の岡田幹事長が、戸
別所得補償制度についても見直しに言及したことから、ちょうどタ
イミングも合ったので、鹿野大臣に、戸別所得補償制度が抱える課
題について以下の点を質疑しました。


【大規模農家が離農している】

 一つは、戸別所得補償制度は、米価が大きく下がったにもかかわ
らず、それを固定支払いと変動支払いで埋めたため、ほぼ前年並み
の収入が実現できたことから評判はいい。しかし、その一方で、大
規模農家がそれぞれの事情の中で辞めている例が多くなってもいま
す。私の田舎でも2軒の地域の大事なリーダー(65歳と40歳)が後
継者不在や大きな資金が必要な機械の買い替えに自信が持てず辞め
ています。


【どこを向いている政策かわからない】

 二つは、大臣の肝いりで規模拡大加算を講じましたが、その動き
は見えてきません。それは、すべての販売農家を所得補償の対象に
しながら、一方で規模拡大を進めるということで、どちらを向いて
いるのかわからない政策であることにあります。

 また、TPPと関連して設置されている「食と農林漁業の再生実現
会議」が中間提言をまとめましたが、平野部では20〜30haの経営が
太宗を占めるようにするとしており、すべての販売農家を所得補償
の対象にしていることと矛盾する方向をまとめているのです。


【財源確保が問題に】

 三つは、国は、生産調整は選択制にした、固定支払い、変動支払
いをもらいたいなら生産数量目標の達成が条件だ、米価が下がって
も差額を支払うのだから、過剰米対策はやらない、米価は下がって
もいいのだといいます。ところが、卸と小売りの買い手は、米価が
下がっても国が補てんしてくれるなら下がってもいいじゃないか、
売れ残らないように売ってやるから米価を引き下げろ、と売り手に
迫ります。その割に、小売価格は下がっていません。何のことはな
い、卸・小売をもうけさせるための差額支払いになっているだけで
す。果たして、これで財源が確保できるのでしょうか、国民の支持
が得られるのでしょうか。


【先物上場は、混乱を増幅するだけ】

 四つは、加えて、先物取引を8月8日から行うとしています。原発
事故による稲わらや牛肉のセシウム汚染の状況から考えて、コメへ
の心配があります。だから、11月以降の先物価格は高めになるかも
しれません。農家は価格が高いに越したことはありませんので期待
が先に立ちます。しかし、セシウムの動向や作柄いかんでは、いつ
までも高いままではありません。だんだん下がっていくでしょう。

 この間、上がるも下がるも取引の量と回数が多ければ投機筋はも
うけるし、取引所は手数料を稼ぐことになります。一体、生産者の
もうけはあるのでしょうか。価格の変動に翻弄されるだけです。狂
騒状態になって、焦った人が損を押し付けられるだけです。こんな
ことは続けられません。


【形骸化している食糧法】

 決算委員会では、コメの先物取引の試験上場認可について、鹿野
大臣を追求しました。

 とりわけ、民主党政権になってから食糧法の運用が大きく変えら
れており、現に食糧法に規定されている集荷円滑化事業を実施停止
とし過剰米対策に取り組まないことにしたこと、備蓄の運営も大き
く変えていること、これも現に食糧法に規定されているコメ価格形
成センターを人知れず廃止し法律に規定がない先物取引を認可した
ことなど、枚挙にいとまがありません。

 まさに、食糧法の目的で定めている国による主食米の需給と価格
の安定の役割を放棄し、市場原理・自由競争の世界に突入してしま
っています。これが、国民生活第一を標榜してきた民主党政権のや
ることか、と大臣に迫りました。

 コメの先物上場を申請した東京穀物取引所の渡辺社長を参考人に
呼んで追及しましたが、長年農水省で生産調整や食糧管理に携わっ
てきた方とは思えない言いぶりで、すっかり転向して、すべてを市
場に任せ、身軽になることしか考えておらず、農業者の痛みや混乱
など眼中にありません。天下りした商品取引会社が、会員から解散
を迫られている中で、その生き残りを画策したに過ぎません。


【JAグループで、現物市場を作るべき】

 こうした事態の中で、われわれは、対策を打ち出してゆかなけれ
ばなりません。

 戸別所得補償制度の評判がいいのであれば、評判のいい部分をき
ちんと確保し、地域の実態に応じた多様な担い手が自信を持って将
来を展望できるものにしてゆかねばなりません。もちろん必要な財
源を確保し、法制度に基づいた安定した仕組みにしてゆかねばなり
ません。

 先物取引の試験実施はこのままでは2年間続きます。農業者やJ
Aグループや零細小規模な流通業者はただ戸惑い混乱するだけでな
く、投機資金による先物取引に対抗して、より良い安心できる現物
取引市場を作り上げねばなりません。JA全農は、その先頭に立つ
べきです。


【三橋貴明さんのこと】

 ところで、三橋貴明氏(経済評論家、今若手の論客として台頭、
私がチャンネル桜でご一緒した方で、「TPP開国論のウソ」(飛鳥
新社)等の著書多数)のブログで、私のメルマガについて論評され、
三橋さん自身の、私の何百倍にも上る読者に向けてメッセージを書
いていただいているのを発見しました。うれしい限りです。これで
私のメルマガ登録者も飛躍的に増えるかもしれません。こうなった
らますます責任重大だと気を引き締めています。「もっと短くでき
ないか」の声には、次回から気をつけます。
以下に、三橋さんのブログを掲載します。


≪三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ」・7
月26日掲載一部抜粋≫

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/day-20110726.html

 山田先生のメルマガが大変面白いので、その旨を申し上げたとこ
ろ、「あれ、みんな秘書が書いていると勘違いしているんですが、
私本人が書いているんです!」 と、力説されていましたので、当
ブログでもご紹介させて頂くことに致しました。

 本人がメルマガやブログを書き続けることがどれだけ大変か、わ
たくしほど理解している人は日本にそうは多くはないでしょう。


≪SNS‐FreeJapanホームページ・7月29日ニュース一部抜粋≫

http://www.sns-freejapan.jp/2011/07/29/tpp-2/

 三橋さんのブログでも触れらているため、エピソードと共に山田
先生のメルマガを紹介します。

『山田としお メールマガジンのご案内』
https://ssl2.another-staff.ne.jp/ja0026/mailmagazine/index.html 

 FJ事務局も購読させて頂いておりますが、このメールマガジンは
非常にわかりやすく、かつおもしろい。

 農業の構図や、その観点から感じる問題点を本当にわかりやすく
解説されています。

 経済の話がわかりやすいことで定評のある三橋さんですが、「農
業政策で言うところの三橋貴明」とでも言いましょうか、本当にわ
かりやすくおもしろいのです。

 福岡県の農政連などを訪れた際、他JA関係者と話した際も話題に
なっていました。

 この機会に、是非登録を。
 
 日本の礎である農業、ないがしろにしていいはずがありません。

 入門書や時事問題の解説として、FJ事務局からもお勧めいたしま
す。

 山田先生が本当に屈託の無い、きれいな笑顔で力説されるもので
すから、こちらも是非ブログで取り上げようと思っておりました。
本当におもしろいメルマガですので、是非登録してみてください。






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