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山田としお メールマガジン349号
JA改革、簡単にはまとめられず

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    ***山田としお メールマガジン No.349***


                     2015年2月2日発行

                山田としお公式ホームページ
            (http://www.yamada-toshio.jp/)

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          JA改革、簡単にはまとめられず

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 【2週間で8日間、各2時間以上の激論】

 自民党の農協改革等法案検討PTは、週に連日4日、2週間で8日間、
各2時間以上の活発な議論を重ねました。毎日、120から140人ほど
の議員が出席しました。内容は、規制改革会議が昨年5月に出した
意見に対して、与党が6月にとりまとめた、「農協・農業委員会等
に関する改革の推進について」を具体化するための党内議論です。
昨年末の選挙公約で、「議論を深め、着実に推進する」としていた
ことの具体化です。

 議論開始から8日目の1月30日に、連日の議論を踏まえた項目別の
検討状況を農水省が提出し、それを議論しました。農水省が提出し
た資料は、JAの自己改革の実行を注視することとして法改正が不
要なもの、現行法を見直して何らかの規定を盛り込むもの、法改正
について政府部内で検討中のもの(ペンディングの「P」として整
理)に分けています。当然、重要な議論があるものは「P」として
整理しており、今後はこれらの扱いが大きな争点になります。どう
も政府は、総理の施政方針演説を2月12日に行うので、それまでに
まとめたいとしており、2日からの週が大きな山場になります。


【焦点は、中央会の法的位置づけと監査事業】

 「P」として整理されていたのは次の4つです。

一つは、准組合員の事業利用について「一定のルールを導入する」
    という項目

二つは、中央会の事業・役割に関する項目

三つは、中央会制度について「現行制度から自律的な新たな制度 
    に移行する」という項目

四つは、農業委員会の業務のうち政府等への「建議」に関する項目


 ところが、翌日の31日に、朝日新聞が、「全中の権限を『撤廃』、
農協改革の自民案」の見出しで大々的に報道しました。自民党がこ
れから更なる議論を行おうという機先を制して、政府の誰かがリー
クしたものです。全く許せません。他方でも党内の某会合で、JA
や中央会のあり方について様々な批判の言葉を盛り込んだ「全中へ
の質問項目」というペーパーが出され、日頃は農業関連の会議にあ
まり出席したことのない議員が、8日間にわたる党の議論において、
それを主張することにもなっていたのです。まさに闘いです。

 すでに朝日新聞が書いている内容でもあり癪に触りますが、これ
から、以下の事々について決めてゆくことになります。

一つは、中央会の会計監査や業務監査の扱いであり、

    ・現状通り中央会が会計監査と業務監査を実施できるこ 
     とにするかどうか

    ・できないというのなら、中央会の会計監査を公認会計 
     士へ移管することでいいのかどうか

    ・その場合の業務監査は、どこが行うのか、中央会はで 
     きるのかどうか

    ・中央会の会計監査と公認会計士の監査の選択制という 
     形はあるのかないのか

    ・その場合の業務監査は、中央会が合わせて実施するこ 
     とでいいのかどうか

二つは、上記の場合の中央会の法的位置づけの有り無し

三つは、准組合員の事業利用のルール化の扱い

 最も大きな争点は、中央会の法的な位置づけにあります。という
のは、総理が「中央会は脇役に徹していただきたい」とか、予算委
員会では一般論としてと断りながらも、「法的な裏付けがないとで
きないような事業を行う組織は自律的とは言えない」と答弁されて
いるからです。容易でない環境にあると言わざるを得ないのです。

 しかし、現行の中央会制度は、「法に基づく必置制度」であり、
6月の党のとりまとめは、これは閣議でも決定している内容ですが、
「農協法上の中央会制度は、制度発足時との状況変化をふまえて、
他の法人法制の改正時の経過措置を参考に適切な移行期間を設けた
上で『現行の制度から自律的な新たな制度』に移行する」としてい
るのです。以上の文脈からも明らかなように、現行の制度と同様に
「自律的な新たな制度」も法に基づく「制度」なのです。このこと
をしっかり実現しなければならないのです。


【中央会の扱いは、JAの各事業のあり方に連動】

 というのは、昨年5月の規制改革会議の意見と、さらに11月に出
された意見は、それぞれ中央会について、「廃止」と「法的裏付け
は必要ない」というものでした。これは、規制改革会議のねらいが、
まずはJAグループの中央組織である中央会の法的な位置づけをな
くし、さらに監査や指導の事業機能も失わせたうえでJAグループ
を弱体化させ、その次に、在日米国商工会議所が求めるJAの信用
事業や共済事業の代理店化や、経済事業の会社化等を進めようとし
ていると考えざるを得ないのです。韓国のJA中央会は、韓米FTA
の締結に際して、信用事業が株式会社農協銀行に、共済事業が株式
会社農協保険に転換させられ、加えて地域農協における事業のシェ
アも他の民間銀行や保険会社と同等の比率に制約されてしまったの
です。この轍を踏んではならないのです。

 ところで、結論が出るまではまだまだ議論がなされなければなり
ませんが、8日間の議論を振り返って、印象に残ったことがありま
す。

 一つは、農水省による資料の整理や答弁が、これまでの農水省が
行ってきた政策推進の方向やその実行上の責任を棚に上げて、「如
何にJAが努力してこなかったのか」「如何に中央会は監査等でJ
Aを統制してきたのか」を言い募る姿勢で終始したことです。もち
ろん、私もJA全中にいて、農水省の関係者等とも多くの課題で一
緒に進めてきた責任もあるのですが、その際の共感というか、問題
意識を統一して行ってきた共同行動などの痛みも全く感じられない
ものでした。もう少し、後ろめたさというか、反省もあってもいい
のに、それが微塵も感じられませんでした。お役人としてはしょう
がないのか、残念です。


【准組合員制度は員外利用制限のあり方と関連】

 准組合員の利用規制問題にしても、他の業界等からの指摘もあっ
て農水省が員外利用制限を厳しく運用してきたため、JAは、准組
合員になってもらうことで地域の皆さんの利便の確保もはかってき
ました。そうした実態は、農水省はよくよく承知しているはずです。
もちろん農業者が減少し、地域の都市化で多様な生活者が膨張して
きたことや、山間地の過疎化で店舗等の生活の利便が失われてしま
ったことも、十分承知しているはずです。それを利用規制で済ます
というのは本末転倒です。とすると、員外利用制限のあり方や、地
域の特性も含めて、そのあり方をともに考えてゆくことが必要なの
です。

 二つは、多くの議員の参加による連日の議論は、大変内容のある
現場の実態を踏まえたものであったと思います。こうした場所での
発言や、それを裏付ける問題意識はこれからの農政や農協等の議論
に大きな力になります。一方では、JAの一層の改革を迫る厳しい
意見もあり、私も、これらにどう対処するか、覚悟して改革を進め
なければならないと受け止めました。


【ともに改革を進める形にしなければなりません】

 これからの数日が山場になるのだと思います。そうした中で、私
があらためて強調したいのは、総理が2年半前の就任時にJA全国
大会に出席され、「しっかりと地域を、美しい農業を守っていくこ
と、それは政治の使命でもございます」「JAの皆様と協力をしな
がら、日本の農の素晴らしさを世界に発信をしていく、そして日本
全体が、やっぱり日本の農業は大事だな、素晴らしいな、と、理解
していただけるように努力をしてまいります」とおっしゃっており、
2年前のTPP交渉参加表明の記者会見では、「息を飲むほど美しい田
園風景、伝統、農村文化、これらの国柄を私は断固として守りま
す」とおっしゃっており、2年前の自民党大会の挨拶では、「必ず
私は日本の農業を、食を守ってまいります」「強欲を原動力とする
市場主義経済の道をとってはならないと思います。道義を重んじ、
真の豊かさを知る瑞穂の国の資本主義を目指してまいります」とお
っしゃっていることです。

 しかし1年前には、「もはや岩盤のように固まった規制を打ち破
るには、強力なドリルと、強い刃が必要であり、自分がそのドリル
の刃になります」「いかなる既得権益といえども、私のドリルから
無傷ではいられません」とおっしゃっており、別の顔を見せられて
います。

 JAは、地域の歴史的な存在であり、社会的な組織でもあります。
総理の二つの顔を、「日本の将来のためにも、ともに改革に取り組
みましょう」という顔に統一していただきたいのです。皆さんとと
もに頑張りましょう。


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